若山動物病院ブログ
Good タイミング!
本日ワンちゃんの不妊手術を行った際、興味深いケースに遭遇しました。
手術前に行った検査などでは異常はなく、手術は順調に進んでいるように見えました。
しかし手術中に子宮を確認すると、一部が腫れて・・・
あれ?赤ん坊い?
まるで妊娠しているかのように見えます。
そうなんですよ!
驚いたことに、子宮の中には赤ちゃんが1頭いるように見えるんです!

即、飼い主さんと相談し状況を慎重に説明し手術を続けました。
飼い主さんが言うのは、妊娠させた記憶がないとのことでした。
取り出した子宮を切開して調べたところ、内部には粘度の高い膿が溜まっていました。
いわゆる子宮蓄膿症です。
しかも膿は子宮全体に広がっているのでは無く、一部になんです。
子宮蓄膿症はメス犬に見られる命に関わる病気で、中高齢の犬に多く発症します。
今回の場合には、2ヶ月前に初めての発情があった子なんです。
こんなが若い犬でも発生する可能性があるんですねぇー。
この病気は子宮内に細菌が感染して起こる病気です。
進行すると敗血症や多臓器不全などを引き起こす、そんな危険性がある病気です。
今回の症例では不妊手術のタイミングで発見し、迅速に対応できたため命を救うことができました。
この症例から学べる重要な点は、手術前の健康状態が良好に見えても、体内で進行中の病気が潜んでいる可能性があるということです。
特に子宮蓄膿症のような症状は早期に発見されにくく、発見が遅れると手遅れになることも少なくありません。
飼い主の皆様には、日常の観察や定期的な健康チェックの重要性を再認識していただきたいと思います。
食欲不振、飲水量の増加、元気消失など、些細な変化でも早めに動物病院を受診することが、ペットの健康寿命を延ばすカギとなります。
今回のケースは、未病の段階での対応がいかに大切かを改めて感じさせるものでした。