若山動物病院ブログ
猫ちゃんの糖尿病
膵炎に罹り、黄疸、糖尿、嘔吐、そして激痩せの肥大型心筋症の猫ちゃんの治療を行っています。
まずは糖尿ですが、これは膵臓に何らかの疾患がある場合に起こる糖尿病です。
完治は難しい病気ですが、血糖値が安定したら日々のケアと管理で生活の質をぐっと高めることができます。
現在は・・・膵炎もあり治療に苦慮しています。
基本的にはインスリンを使い血糖値をコントロールしながら、他の症状に対しての治療も併せて行ってます。
ただ激痩せなので、血糖値のコントロールが結構難しいのですが・・・
幹細胞療法を行い肝臓と膵臓、そして糖尿が改善するようにと治療を行ってます!
また膵臓から分泌される消化酵素も不足しているため、栄養状態の改善も行ってます。

糖尿病の猫ちゃんって、結構多いのかしら?
糖尿病って太ってる猫に多いのかと思ったら、違うんですね・・・

糖尿病の猫ちゃんって、結構多いんですよ!
そこで日常のケアのポイントを、できるだけ分かりやすく解説します。
健康状態のチェック
糖尿病は発症する前に現れる、早期のサインがあります。
そのため、そのサインを見逃さないことが大切なんです!
チェックするサイン
多飲多尿
普段より水をたくさん飲んだり、頻繁にトイレに行くようになる場合は注意。
体重の変動
急激な体重減少や肥満も、糖尿病の兆候となる可能性があります。
元気が無くなる
食欲が落ちたり活動量の低下が見られる場合も、何らかの健康異常を疑うサインです。
血液検査
血糖値やフルクトサミン検査
血液検査では血糖値だけでなく、過去2~3週間の平均血糖状態を反映するフルクトサミンもチェックします。
これにより、治療の効果や病状の進行を正しく把握できます。
尿検査
尿糖の確認と感染症の兆候チェックも行います。
糖尿病の猫ちゃんでは、オシッコの中に糖が現れるから糖尿病と言います!
オシッコに糖が出ると尿路感染症のリスクともなるため、定期的にオシッコの確認することが大切です。
体重測定・肝・腎機能チェック
全身の健康状態を把握するため、体重の変化や肝臓、腎臓の状態のチェックもします。
治療と生活管理のポイント

個々の猫ちゃんに合った治療計画
十分に相談しながら、猫ちゃんの生活リズムに合わせたインスリン投与スケジュールを決めます。
これが血糖値の安定につながります。
食事療法と運動
高タンパク・低炭水化物の食事
糖質を抑えたバランスの良いフードを食べさせることが、基本となります。
しかし猫ちゃんはフードの選り好みが激しいため、食べさせたいフードを食べるとは限りません。

必要とするカロリー量は,個体により違います!
だから体重や体調を見ながらフードの量を調整しなくてはなりません!
また日々の運動やストレスをしっかり管理することで、血糖値の急激な変動を防ぐことができます。
体重管理
痩せすぎも、太りすぎもNG!
【痩せすぎの場合】
栄養不足から筋肉や体力低下し、治療中の免疫力も落ちてしまいます。
【太りすぎの場合】
肥満はインスリンの効果を低下させ、血糖コントロールが難しくなるリスクがあります。
治療に効果的な体重・体調を維持し、生活の質を落とさないようにすることが大切です。
なぜ痩せてしまうの?
糖尿病の猫ちゃんは、インスリン不足のために細胞が十分な糖を取り込めずエネルギー不足に陥ります。
そこで不足したエネルギーを補うため、カラダに蓄えている脂肪や筋肉を分解してしまいます。
その結果、体重が徐々に減り痩せてしまうのです。
また糖尿病に伴う多飲多尿も、栄養や水分のバランスを崩す要因となります。
まとめ
猫ちゃんの糖尿病は、完治が難しい病気です。
しかし定期検査や適切な治療、そして日々のケアで十分に管理できる病気です。
飼い主さんの細やかな観察とで、猫ちゃんの健康を守り安心して暮らせる環境を整えましょう。
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