若山動物病院ブログ
ウンチから見る健康
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
3月も半分が過ぎ、本格的に春が始まろうとしています。
当院では『春の健康診断』がスタートし、今までの生活習慣や健康に対する意識の見直しをする時季になりました。
血液検査やレントゲン撮影などで目に見えない部分の健康状態を確認することは病気の早期発見にもつながり、とても大切なことです。
ウンチやオシッコなどの日常的に目に見えるものは状態の変化に気づきやすいものですが、検査で詳しく調べてみると目に見える状態とは違った結果が出ることもあります。
特に最近のウンチ検査でよくあるのは、見た目はいいウンチなのに実は消化不良をおこしていること。

ワンちゃん猫ちゃんが消化不良をおこす理由はいくつかあります。
- ストレス
- 寄生虫感染
- ウイルス感染
- 膵臓のトラブル
- 肝臓のトラブル
- アレルギー
その中でもここ1ヶ月ほどで多いのが膵臓のトラブルです。
膵臓は胃のすぐ下にある淡いピンク色の臓器で、
- 糖の代謝に必要なインスリン、グルカゴン、ソマトスタチンなどのホルモンを分泌する内分泌機能
- 糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素を分泌する外分泌機能
という2つの働きを調節する役割をもっています。
このため膵臓にトラブルがおきてしまうと糖尿病を併発したり、脂肪の分解が上手くできなくなって白いウンチをするようになったりします。

膵臓のトラブルは症状が見られないこともあります。
カリフォルニア大学の猫の膵炎の研究では死後解剖された115匹の猫の66.1%で膵炎があり、そのうち50.4% は慢性膵炎、6.1% は急性膵炎、9.6%は急性および慢性膵炎の兆候が見られ、健康そうに見えた猫の 45% にも膵炎のサインがあったということです。
ウンチは体の健康状態を教えてくれる大切な「バロメーター」です。
ウンチが出た・出ないだけではなく、どんなウンチが出ているのか色や硬さ・ニオイなども合わせて確認しておくと病気の早期発見につながります。
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