若山動物病院ブログ
猫の持つ時計!
猫って、時間がわかるのかな?
朝の6時・・・
まだ目覚ましも鳴っていないのに、足元に無言で整列しるんです。
それに気がつかないと、枕元から顔を覗き込むんです。
それでも気がつかないと「ニャーん」と、とっても小さな声で呼ぶんです!

もう時間だよ!
朝ですよォーーーー
「なんでわかるの!?」
「うちの子って時間わかるのかしら?」
「ひょっとして、時計読めるのかしら?」
なんて思ったこと、ありませんか?
実はこれ、あながち間違いじゃないんです。
猫には時計こそ読めませんが、時間の感覚はしっかりと持っています。
どうやって「時間」を感じているの?
猫はヒトと違い、数字や文字はもちろん読むことはできません。
でも代わりに色々な変化を読み取る力が、とっても優れています。

そうなんだよ!わかっちゃうの!
・外の光(朝焼けや夕暮れの明るさ)
・音(新聞を取る音、冷蔵庫の開く音)
・におい(ごはんの支度のニオイ)
・飼い主の行動パターン(トイレ→顔を洗う→コーヒーをいれる・・・など)
これらを組み合わせて・・・思うんです!

「あッそろそろ・・
ゴハンの時間だニャァ〜、起こさなくちゃ!」
つまり猫にとっての時間とは
「行動のリズム」
「環境の変化」
なんですね。
実はけっこう几帳面な性格
猫は「マイルール」を、とっても大切にする動物なんです。
だからこそ「いつも同じ時間にごはん」「いつも同じ順番で遊ぶ」といった日課が大好きです。
もしいつもの時間に・・・
ごはんがもらえなかったり、生活の流れが変わったりしちゃダメなんです。
そうすると猫は落ち着かなくなったり、ストレスを感じてしまうこともあります。
特に高齢猫になると、変化への適応が難しくなってきます。
そのため、なるべく毎日同じ流れで過ごしてあげることが安心感につながります。

時計は読めるの?
いいえ、さすがにそれはありません。
でも毎日6時半がゴハンという記憶と体感をもとに、かなり正確に時を感じ取っています。
実は猫の脳内には「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれる、24時間の生体時計が備わっています。
これはヒトにもあるもので、体温・ホルモン・行動のサイクルを管理しています。
つまり、猫も私たちと同じように体内に時計のようなものがあるというわけです。
「いつも通り」を大事に
猫にとっての安心とは、「予想通りに今日が始まって、予想通りに終わること」なんです。
時間どおりのごはん
いつもの場所でのお昼寝
変わらぬ声かけ
これらすべてが、猫にとっては大切な「絆」になっています。
「時計が読めないからこそ、感覚に敏感」。
それが猫という生き物のすごさであり、愛おしさなのです。