若山動物病院ブログ
葉っぱが黄色く見えた日
先週の木曜日のことです。
腸からの出血トラブルから貧血も起こし、緊急入院となっていました。
病院へ行った際、ドクターからは輸血の話はされるは・・・
病室に来られる看護師の皆さんからは、
「疲れやすいとか動悸・息切れ、めまい・立ちくらみはありませんか?」
「頭痛とか、耳鳴り、視界はどうですか?」
と毎回、同じことを聞かれるのですが・・・
正直、めまい・立ちくらみなどは寝てるのでわかりません。

入院中は点滴と絶食!
普段は診察する側の私が、治療される側になるとはと、そのような気持ちで横になっていました。
治療の甲斐あって無事に退院の日を迎えたのですが・・・・病院の玄関を出て明るい外の景色に眼を向けた時です。
入院した時に咲いていた桜の花が、退院の時には散ってましたし。
されには、街路樹の葉っぱが妙に黄色く見えたんです。
「あれ? もう秋だっけ?」と思うほどなんです。
でも実際には、季節はまだ夏にもなっていません。
おかしいな、と思いながらも歩道を歩き始めました。
でも、見れば見るほど景色に違和感があるんです。
「もしかして、頭?眼のせい?」
と不安になってしまいました。

あとで調べてみてわかったのは、人間の眼はとても繊細な器官で、血圧や酸素の供給状態によって見え方が変わることがあるそうです。
つまり出血により血液が減っていた私の体は、網膜や脳への酸素供給もやや不十分で視覚に影響を与えていたのです。
しかも青っぽい色を感じ取る視細胞は、酸素が不足すると働きが鈍くなるため全体的に黄色っぽく見えることがあるのだとかなんです。
それにしても、いつも見てた景色と違い白っぽく見える気がします。
これは網膜への血流が減ったことによる一時的な変化で、体が回復すれば自然と元に戻る予定です。
これって実は、動物にも関係があるんじゃないかと思いました。
言葉を話せない犬や猫たちも、体調によって見えている世界がいつもと違っていることがあるかもしれません。
急にぶつかるようになったり、明るい場所を嫌がったり・・・
そんな「なんとなくおかしいな」という変化には、体の中からの小さなサインが隠れていることもあります。
たとえば、いつも通りに歩いていたワンちゃんが急に物にぶつかるようになったり、明るいところを嫌がるようになったり・・・
それは私たちヒトが「見え方の違和感」として感じるような体調のサインかもしれません。
言葉を話せない動物たちの不調は「いつもと違う行動」や「ちょっとした違和感」として現れます。
その小さな変化に気づいてあげられるかどうかが、病気の早期発見につながることもあります。
今回、自分の体を通して感じた「ちょっとした違和感の大切さ」。
それはヒトにも動物にも共通する、身体からの「声なきサイン」なのだと、あらためて気づかされました。

自分が体験してみて、ちょっとした違和感がどれほど大切なヒントになるかを実感しました。
もし飼っているワンちゃんやネコちゃんに「最近なんだか様子が変だな」と感じることがあれば、どうか遠慮なくご相談ください。