若山動物病院ブログ
本日は「立夏(りっか)」
立花は暦の上では夏の始まりを意味し、自然界では陽気が強まり、生き物たちの活動が活発になる時期です。
わんちゃん猫ちゃんたちにも、この季節の変わり目は心身にさまざまな影響を与えます。
以下にその主な影響と対策を記します。
目次
1.体温調整への負担が増す
影響
立夏以降、昼夜の寒暖差が大きくなり、わんちゃん猫ちゃんは体温調節にエネルギーを使うようになります。
特に短頭種(フレンチブル、ペルシャなど)やシニアの子たちは熱がこもりやすく、熱中症リスクが高まります。
対策
- 日中の散歩は早朝または日没後に。
- 室内ではエアコンやサーキュレーターを活用し、室温を25℃前後にキープ。
- 冷却マットや風通しの良い場所を提供。
2.換毛期のピーク
影響
春から初夏にかけて、冬毛が抜けて夏毛に生え変わる「換毛期」の真っ只中。
抜け毛が大量に発生し、皮膚トラブルや毛玉の原因にも。
対策
- 毎日のブラッシングで抜け毛を除去し、皮膚の通気性を確保。
- 皮膚の赤みやフケが増えた場合は早めの受診を。
3.食欲や活動量の変化
影響
暑さに慣れていないこの時期は、一時的に食欲が落ちたり、ぐったりする子も。
特に猫ちゃんは体調変化を隠すのが上手なので注意が必要です。
対策
- 食事はいつもより風味を強めたり(ウェットフードを混ぜるなど)して誘導。
- 水分摂取を促すため、水皿を複数置く、流れる水を好む子には給水ファウンテンも有効。
4.ノミ・マダニ・蚊の活動開始
影響
暖かくなるとノミ・マダニ、さらには蚊の活動が活発になります。
感染症(フィラリアやSFTSなど)のリスクも急増。
対策
- 定期的な予防薬の投与(フィラリア、ノミダニ駆除剤)。
- 草むらや山林への散歩はリスクが高いため、避ける・服を着せるなどの対策を。
5.メンタル面への影響
影響
気温と日照時間の変化は、自律神経に影響を与え、わんちゃん猫ちゃんの「なんとなく元気がない」「眠ってばかり」などの軽い不調につながることも。
対策
- 穏やかな声かけやスキンシップで安心感を。
- 生活リズムを整えることで、自律神経の安定に。
まとめ
立夏を迎えた今、わんちゃん猫ちゃんにとっては「暑さに体を慣らす助走期間」です。
健康を守るには、飼い主さんのこまやかな観察と早めのケアがカギ。
夏本番を快適に迎えるためにも、この時期の小さなサインを見逃さず、やさしい気遣いを届けてあげましょう。