若山動物病院ブログ
猫の乳首は偶数?
猫ちゃんのお腹には、ポツンと小さな乳首があります。
お腹をゾ〜ッとなでてみると、小さなポツっとした乳首がに当たります。
そんな乳首ですが・・・
多くの飼い主さんは「乳首は左右に均等にあり、偶数が当たり前」と思っているのでは?
しかし実際には、乳首は必ずしも偶数とは限りません!

そうなのよねぇ〜
乳首は左右に同じようにあるとは限らないのよね!
左右全部で七つってこともあるの・・・
哺乳類である猫は、胎児のときに「ミルクライン」と呼ばれる乳腺のもとになる線に沿って乳首が形作られます。
ふつうは左右対称に乳首が並び、8個が平均的です。
しかし個体差があり、7個や9個などの奇数の乳首を持つ猫ちゃんも珍しくありません。
実際に飼い主さんから「うちの子は片側にしか3つない!」なんて聞くこともありました。
オス猫にも乳首はありますが、もちろん母乳は出ません。

ん?母乳???
父乳とは言わないから、オスでも母乳としておいて下さい。
実は哺乳類の多くが、オス・雌の性別にかかわらず乳腺の元を持っています。
その乳腺の元は、女性ホルモンによって発達します。

オスは男性ホルモンだから、乳腺が発達しないのよね!
この左右の乳首の数に不揃いがあっても、健康には影響しません。
基本的に乳首の数が奇数でも体調や寿命、もちろん授乳能力にも問題はありません。

もし多産で、産まれた子猫の数が乳首の数より多いと大変だよね?
乳首争奪戦じゃん・・・
そのようなときは、人の手でミルクを補ってあげなくちゃなりません。

また乳首だと思っていたら、実は「ダニ」や「しこり」だった!ということもあります。
特に中高齢の猫ちゃんでは乳腺腫瘍の可能性もあるため、ポチッとしたふくらみに気づいたら要チェックです。
ちなみに猫の子どもたちは「自分専用の乳首」を決めているんです!
一度気に入った乳首を自分専用とし、その場所を兄弟姉妹で取り合うことなく使い続けるそうです。
なんとも不思議、眼も見えないのに何ででしょうね?

乳首の数が奇数なのは、珍しいようで実際には意外と普通のことなんです!
猫の体には、まだまだ知らない「ふしぎ」がたくさん詰まっていますよ。