若山動物病院ブログ
睡眠
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
5月も終わりが近づき、少しずつ湿気が気になる季節になってきましたね。
今年の春は台風の気配がなく、このまま発生しなければ、なんと9年ぶりになるそうです。
とはいえ、気温や気圧の変化、湿度の影響で、体も心もなんとなく疲れやすくなる時期。
いつもより少しだけ体調管理を意識して、無理せずゆったり過ごしていきましょう。
ここ数日は気温・湿度ともに落ちつて、過ごしやすい日が続いています。
お庭の草木も青々と茂り、目に優しい色合いになってきました。

診察の空き時間に院内の中庭を眺めていると、視界の端で動く小さな影が…。
そこにいたのは、今年生まれたばかりの小さなカマキリちゃん。

近くにいたスタッフとカマキリちゃんを見ながら話していると、「虫は眠るのか?」という話になりました。
今まで考えたこともないですが、ちょっと気になる疑問ですよね σ(・´ω`・)
少し調べてみると、どうやら虫は「眠らない」らしい。
「睡眠」の違いには、脳のつくりが大きく関係してるようです。
人やワンちゃん猫ちゃんの脳は構造が複雑で、体の修復や記憶の整理といった大切な働きを睡眠中に行っています。
そのため眠りの中には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があり、体を休めたり夢を見たりする時間が交互に訪れます。
一方で、虫の脳はとてもシンプルで、いわゆる「脳」というより「神経節」と呼ばれる小さな神経のかたまりが全身に分散しているような構造をしています。
これらは動き回ったり、餌を探したり、外の環境に反応したりといった「生きるために必要な最低限のこと」をコントロールしていて、ほとんどが本能的な働きです。
そのため人やワンちゃん・猫ちゃんのように複雑な脳を深く休める必要はあまりなく、「眠る」代わりに体を動かさずにエネルギーを節約する「休息状態」があるのです。
それぞれ違ったしくみを持ちながら、自分なりの方法で体を休めているんですね。
どれも生きるために大切な時間です。