若山動物病院ブログ
ゆっくり育つメインクーン
メインクーンはいつ成長が止まるのって言うくらい、ゆっくりと大きく育っていく猫ちゃんです。
成長完了までの年数と健康管理のポイント

先生!うちの子・・・
1歳を過ぎても、まだ体重が増えて大きく育ってる気がするんです。
そんな話をメインクーンを飼い始めた飼い主さんから聞くことがあります。
メインクーンは、ふわふわとした被毛とどっしりした体格をした猫ちゃんです。
実はこのメインクーン、一般的な猫ちゃんとはまったく違う成長スピードなんです。
だから見た目が割と大きく立派でも、実はまだまだ成長途中なんてこともあります。
一般的な猫との違い
多くの猫ちゃんは、生後約1年でカラダの発育がほぼ完了します。
骨格や筋肉が整い、成猫としての体つきになるのもこの頃です。
そのため1歳になる頃には避妊・去勢手術を終え、フードも「成猫用」に切り替えます。
しかしメインクーンは、3~5年もかけてゆっくり成長する猫種なのです。
ただ成長がゆっくりでも、性成熟(発情)は一般的な猫ちゃんと同じ6~9か月頃に訪れます。
そのため避妊・去勢手術は、一般的な猫ちゃんと同じ頃に行います。
メインクーンの成長ステップ
年齢と成長の特徴
- 生後1年;まだスリムで、子猫らしさが残る
- 2~3年;筋肉がつき始め、体格がしっかりしてくる
- 4~5年;骨格と筋肉が完成し、堂々とした体つきに

そうなのね・・・
メインクーンは見た目は立派だとしても、生まれて数年はまだまだ成長期ってことなのね。
どうしてそんなにゆっくり?
大型猫種だから
メインクーンは、オスで10kgを超えることもある大型の猫です。
大きな体を支えるためには、骨や筋肉がしっかりとしている必要があります。
そのため発育に時間がかかってしまうのです。

若いうちはスリムでも、成熟するにつれて筋肉と骨格がしっかりしてくるのね。
だから体重だけでなく「体長」「骨格」「筋肉の付き方」で健康的な体格かどうか判断する必要があるってことかしら!
自然発生した北米原産の猫
アメリカ北東部にあるメイン州で、自然に発生した猫種です。
寒い地域で生き抜くために、じっくりとカラダを作る進化を遂げてきました。
急成長ではなく、ゆっくりと確実に強い体を作るような体質となったのです。

鯨やホッキョクグマなど、一般的に寒い地域に住む動物は体が大きいわよね。
それって「体温を逃がさずに生きるための進化的適応」によるものって、学校の生物の時間で習った。
ん〜「ベルクマンの法則」だったかしら?

成長ホルモンと代謝の違い
成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌パターンが、ゆるやかな猫種です。
また代謝の速さも、一般的な猫よりも穏やかなんです。
そのため、体格が完成するまでの時間が長い傾向にあります。

そうなのね・・・
ホルモン分泌や代謝がゆるやかであるほど、「体を作るテンポ」がゆっくりになるため発育の期間が長くなるって訳ね!
飼い主さんが気をつけたいポイント
「キトン(成長期用)」を長めに
メインクーンは成長がゆっくりで2歳頃まで続くので、骨格や筋肉をしっかり作るには、高タンパク・高カロリー食が必要です。
そのため一般の猫ちゃんのように1歳で成猫フードに切り替えるのは速すぎで、1歳半~2歳頃までキトンフードを続けます。
成猫用に切り替えるタイミングは、「体重の増加が止まり、筋肉が充実してから」です。

メインクーンは「ゆっくり育つ大型猫」なので。焦らず長めに子猫食を続けることが健康的な骨格と体づくりのポイントってことね!
肥満に注意!
メインクーンは食欲旺盛な子が多く、しっかりと食べてくれます。
成長途中だからといって、食べ過ぎさせてはダメです。
もし体重が急に増えてしまうと、関節や心臓に負担がかかってしまいます。
定期的に体重を測り、体重の増え方には注意をしましょう。
骨・関節にやさしい環境づくり
体が大きいと体重もあるため、関節に負担がかかりやすくなります。
そのため高い場所へはステップを設けたり、床には滑り止めマットを敷くなどして関節を保護する工夫も考えてあげて下さい!
まとめ
- メインクーンの成長完了は 3~5年
- 骨格・筋肉の発達がゆっくり進む
- フードは1歳半~2歳まで成長期用を続ける
- 肥満や関節のケアには注意
メインクーンの成長は、ゆっくり!
1年、2年、3年と変わっていく姿を見守ってあげてください。