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若山動物病院ブログ

お腹が痛い…

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

6月に入ってから、お腹の痛みで来院する子がぐっと増えています。
どの子も元気や食欲が落ちて、しょんぼりした表情で診察に訪れることが多いです。
お腹をそっと触ると、カチカチに固く張っていることが多く、なかには触られた時に「ウッ」と声が出てしまう子もいます。


お腹の状態を確認するためにレントゲンを撮ると、ほとんどの子で胃の壁が厚くなっているのがわかりました。

胃壁肥厚
赤丸:壁が厚くなっている胃

胃の壁が厚くなっているのは、胃の粘膜が炎症を起こしている、つまり胃炎のサインです。

たとえ軽度の炎症でも、胃が刺激に敏感になり、不快感や腹部の違和感が“腹痛”として現れることがあります。犬や猫は人のように「お腹が痛い」と伝えられないため、食欲が落ちたり、伏せてじっと動かなかったり、落ち着きがなくなったりすることがあります。また、吐きそうで吐けないような、口をクチャクチャさせる仕草もよく見られます。


胃炎の原因として、今の時季に多いのが自律神経の乱れやストレスです。

梅雨時期は昼夜の寒暖差が大きくなったり、湿度が高くなったりと、ワンちゃんや猫ちゃんの体にも負担がかかる日が続きます。こうした急激な変化は自律神経のバランスを崩しやすく、内臓の働きにも影響を与えてしまうことがあります。

さらにこの時期は、雨で外に出られない日が続いたり、雷の音や気圧の変化、冷房の使用など、日常のちょっとした変化が積み重なって、ワンちゃんや猫ちゃんにとって大きなストレスになることもあります。

なぜストレスや自律神経の乱れで胃炎になるの?

ストレスがかかると自律神経のうち交感神経が優位になりやすく、これが以下のような変化を引き起こします。

  • 胃の血流が悪くなり、胃酸の分泌が過剰になることで、胃粘膜が刺激を受けやすくなる。
  • 胃粘膜の防御機能が低下し、普段は守られている胃の内側が胃酸によって傷つきやすくなる。
  • 胃の運動が低下して、食べたものがうまく消化できず、胃もたれや不快感、吐き気につながる。

こうした変化が積み重なることで、胃炎が起こるのです。


お腹の不調は、体の内側からのSOS。
こんな時季だからこそ、日々のちょっとした体調の変化にも気を配ってあげたいですね。