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若山動物病院ブログ

お咳が出ちゃう

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

最近、お家に来たばかりの子犬ちゃんが「咳をする」という症状で来院されるケースが増えています。
咳の原因はさまざまですが、子犬で特に多いのが「ケンネルコフ(犬伝染性気管支炎)」と呼ばれる感染症です。

ルーサーとロイス
若かりし頃の病院犬ルーサーとロイス

ケンネルコフは複数のウイルスや細菌が関係する呼吸器の病気で、人間でいう“風邪”のようなもの。
咳やくしゃみ、鼻水などが主な症状で、軽症で済むこともありますが、体力のない子犬や高齢の子では悪化して肺炎を起こすこともあるため、注意が必要です。

咳の症状が見られた子犬たちにPCR検査を行ったところ、共通して「ボルデテラ菌」と「犬アデノウイルス2型」の混合感染が確認されました。

犬呼吸器疾患パネル

ボルデテラ・ブロンキセプチカ菌

ケンネルコフの主な原因菌のひとつで、犬の上気道に感染し、乾いたコンコンという咳を引き起こします。
感染力が強く、集団飼育やペットショップ・トリミング施設などで広まりやすいのも特徴です。

犬アデノウイルス2型

犬の気道に感染して炎症を起こすウイルスで、単独でも咳などの呼吸器症状を引き起こしますが、他の病原体と一緒に感染すると症状が重くなりがちです。
発熱や元気消失、鼻水などがみられることもあります。
犬アデノウイルス2型は5種以上の混合ワクチンに含まれており、予防することができる病気です。


おうちの子が咳をしていたら、次のようなことを意識して観察してみてください。

  • いつから咳が出ているのか
  • どんなタイミングで咳をするのか
  • 咳の音や強さはどうか
  • 元気や食欲はあるか


また、咳の様子をスマートフォンで動画に撮っておくと、より正確に症状を伝えることができるのでおすすめです。

子犬の咳は一見軽そうでも、見えないところで進行していることもあります。
気になる症状があれば、早めにご相談くださいね。

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