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猫が猫背

猫が猫背

「猫背」という言葉は、日常生活の中でももよく耳にしますよね。
この「猫背’とは、もともとは猫のように背中が丸まった姿勢を指す言葉です。
では実際に猫の背中が丸まっているのは、なぜなんでしょうか?

なぜって?
そりゃぁ〜背中が丸い方が動きやすいからなんだよ!
だから猫背になってるのね。
じゃぁ今回は猫背になる理由と、そこに隠されたモノについての話ね。

猫の猫背は「正常な姿勢」

実は猫にとって背中が丸い「猫背の姿勢」は、何も問題のない姿勢なんです。
ヒトでは猫背になると、肩こりや腰痛の原因にもなります。
しかし猫の場合は大きく違い猫背になることで、しなやかに動くことができるという構造になっています。

動きやすい構造の一部として「丸い背中」、つまり猫背になってるんだよ!

背骨の数と構造が秘密が

猫の背骨(脊椎)の数は約50個以上もあり、その一つひとつが非常に良く動くようになっています。
特に胸椎と腰椎の間の関節、いわゆる胸と腰の間の関節は軟らかく、前後左右にしなやかに曲げることができるようになっています。

そのような構造があるからこそ

  • 丸くなって寝ることができる
  • グッと背中を反らせて伸びをすることができる
  • 地面に張りつくように身を低くして忍び寄ることができる
  • 空中で体をひねって着地することができる

丸い背中、つまり「猫背」だから、こんな動きができるんだよ!
だから猫背じゃないと、困るんだ!

猫背は「狩り」に適した姿勢

猫はもともと、待ち伏せ型のハンターです。
草むらや岩陰に身を潜め、獲物が近づくのをじっと待ち瞬間的に飛びかかります。
このときに重要なのが「猫背の姿勢」なんです。

猫背になることで

  • 前足と後ろ足のバネを使うことができる
  • 背筋にエネルギーをためこむことができる
  • 素早く力強くジャンプする準備が整う

「猫背」になっているのは、「獲物に飛びかかるためのバネ」になっているので〜す。

警戒中・リラックス中も猫背は健在

猫が緊張しているとき怒っているときに、背中を高く盛り上げて「フーッ」と威嚇する姿勢です。
これは背中の筋肉を一気に収縮させて、自分を大きく見せる猫ならではの防御姿勢です。

またリラックスして座っているときも、背中は丸まっています。
これは猫にとって自然な脊椎の丸みで、むしろ背筋をピンと伸ばす姿勢の方が不自然なんです。

つまり猫にとっては、猫背が普通の姿勢なんです!

シニアになると本当の猫背に?

ただ年齢を重ねると猫でも本来の柔軟性が失われてしまい、背中が硬くなってきます。
高齢猫で見られる「極端に背中が盛り上がった猫背」は、以下のような状態を反映していることがあります。

  • 関節炎や脊椎症などの痛み
  • 筋力低下や姿勢を保つ力の衰え
  • お腹の不快感や内臓の病気

このような場合の猫背は「老不健康な猫背」で、本来の機能的な猫背とは違います。

いつもより背中が硬く見えたり動きが鈍くなったりしたら、相談してくださいね!

背中を見れば健康状態がわかる?

猫の「背中のライン」や「丸まり具合」は、猫の調子や気分を反映していることが多いのです。

背中の状態と、その意味

  • やや丸くリラックス; 普通の姿勢は、安心している状態
  • ピンと張っているのは;緊張や警戒、何かに集中している
  • 極端に盛り上がっているのは;威嚇や痛み、あるいは高齢化に伴う問題の可能性

日頃から猫の姿勢や背中の曲がり方に注意することで、体調のチョットした変化にも気づきやすくなります。

まとめ

猫の猫背は、私たちが思う悪い姿勢とは大きく違います!
むしろ猫背はしなやかに、静かに、素早く動くための洗練された進化の成果です。

日常の中で猫がどのように背中を使っているかに注目してみると、そこには野生の名残や豊かな感情表現が見えてくるはずです。
「ただの猫背」と見過ごさず、個性や健康のサインとして観察してあげてくださいね。