若山動物病院ブログ
油を飲んじゃった
仔犬が食用油を誤って飲んでしまった!そのとき飼い主さんができることは?
今日は、そのような話です。

ちょっと目を離したすきに、キッチンに置いてあった油をペロペロ・・・
気づいたら、結構飲んでいたみたい。
もう、どうしたら良いかわからなくって・・・
そうですよねぇ〜。
油なんか食べちゃったら、どうして良いか・・・気持ちは焦るしオロオロしちゃいますよね!
しかも、しばらくして嘔吐が始まり部屋が顔が油臭くなってしまたら、もうパニックです!
とにかく元気いっぱいで何でも口にしてしまう仔犬は、「誤食」してしまうことが多々あります。
そしてお家の中には誤飲・誤食の原因となるものが多数あり、眼を離すことができません。
食用油は毒なの?仔犬にとってのリスク
家庭でよく使われるサラダ油やごま油、オリーブオイルなどは、基本的には中毒性のあるものではありません
ただ「大量に摂取」した場合には、以下のような影響を引き起こす可能性があります。
消化器への影響・もっとも多い症状
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛(お腹を丸めてうずくまる)
- 食欲不振
油は消化に負担がかかるため、胃や腸がビックリしてしまいます。
その結果、カラダの外に出そうとして吐き気が出てしまうことがあります。

吐いて、グッタリなの。
しかも飲んだ油を吐くので顔も油まみれで、ベタベタしちゃって・・・
膵炎の危険性
油を大量に摂ると、膵臓に炎症が起きてしまうことがあります。
その結果、膵炎になってしまうことも。
膵炎は命にかかわる重大な病気で、以下のような症状が出ることがあります。
- 激しい嘔吐
- 食欲消失
- 発熱
- お腹の痛み
- ぐったりする

ウチの仔は膵炎にはならなかったけど、吐き気と血便で入院になっちゃったのよね!
なんかシーズー、ヨークシャーは膵炎になりやすいって話を聞いたわよ!
注意しなくちゃ!
飼い主がすぐにできる応急処置は?
まず「無理に吐かせようとしない!」ということです。
油は、胃の中からゆっくりと腸へ流れていくという性質があります。
そのため油を無理に吐かせようとして「吐いたものが気管に入ってしまったり食道に傷をつけてしまうリスク」があります。
飼い主さんができること
1,何を、どのくらい飲んだかを確認
→ 種類(サラダ油、オリーブオイルなど)や、飲んだ量の目安をできるだけ把握しておきます。
2.様子を観察する
→ 嘔吐の有無、回数、元気があるか、下痢はあるかなどをメモします。
3.動物病院へ連絡する
→ たとえ元気に見えても、早めの相談が安心です。

吐いて、グッタリなの。
しかも飲んだ油を吐くので顔も油まみれで、ベタベタしちゃって・・・
動物病院での処置はどうなる?
動物病院では、状況に応じて以下のような処置を行います。
- 吐き気止めや整腸剤の処方
- 点滴(脱水や炎症を抑えるため)
- 膵炎が疑われる場合は、血液検査や入院治療

「ぐったりしている」「何度も吐く」「食べた量が多い」なんてときは、早めに受診した方が良いわね。
予防がいちばん!家の中でできる対策
仔犬の誤飲・誤食を防ぐには、日常のチョットした心がけが大切です。
【誤飲・誤食を防ぐポイント】
- キッチンには立ち入り禁止ゲートを設置する
- ごみ箱や調味料、油類は仔犬の届かない場所に置く
- 床に落ちた食材はすぐに片付ける
- 飼い主さんが食べているモノを安易に与えない(癖になります)
まとめ
誤飲・誤食は、予防可能なトラブルです。
仔犬が食用油を飲んでしまう、それは日常起こりうる可能性のある「家庭内事故」です。
しかし、未然に防げるものでもあります。

大切なのは「誤食させない環境づくり」ってこと、良くわかったわ!
油だけでなく、玉ねぎやチョコレート、キシリトールなどの本当に危険なモノにも注意が必要です。
「うちの子に限って大丈夫!」
と思わずに、今日から安全で楽しい暮らしを意識してみましょう。