佐倉市の動物病院なら若山動物病院|セカンドオピニオン対応

  1. ホーム
  2. 若山動物病院ブログ
  3. 薬を飲ませるタイミング

若山動物病院ブログ

薬を飲ませるタイミング

投薬のタイミング

私たちが病院や薬局から薬を処方されるときに、「食前」「食後」などと飲む時間を指示されることがあります。
これはワンちゃんや猫ちゃんも同じで、使う薬によっては飲むタイミングがあります。

「動物でも、飲ませる時間ってあるの?」と思われるかもしれません。
しかし飲ませるタイミングを守ることは、薬の効果を最大限に引き出すうえでとても重要なのです。

薬を与えるタイミングの意味

食前
食事の20〜30分前に飲ませます。
胃腸の動きを促す薬や、吐き気止めなど、胃のなかに食べ物がない状態の方が効果が発揮する薬は食前に飲ませます。

食後
食べてから30分以内に飲ませます。
最も多い飲ませ方です。
痛み止めや抗生物質、腎不全の猫ちゃんに使うリン吸着剤などは、食事と一緒に与えることで吸収が安定し、副作用(特に胃への刺激)も抑えられます。
脂溶性の薬やビタミン剤も、食後の方が体に取り込みやすいです。

食間
食後2時間以上経過したときに、いわゆる空腹時に飲ませます。
「食事と食事の間」のことで、誤って「食事中」と思ってしまう飼い主さんもいます。
しかし実際はお腹が空いている時間帯に飲ませます。
胃粘膜を保護する薬や、一部の抗生物質など、食べ物に邪魔されずに効果を発揮するタイプの薬はこのタイミングで与えるのが理想的です。

薬によっては、夜の寝る前ってこともあるよね!

ヒトの薬との違いに要注意

動物病院で処方される薬の中には、ヒト用の薬を動物向けに調整して使っているものもあります。
しかしヒトと動物では体の仕組みが大きく異なるため、同じ薬でもヒトと動物では効き方や安全性が違います。

特に猫ちゃんは肝臓で薬を分解する力が弱く、ヒトには安全な薬でも中毒を起こすことがあります。
またヒトの薬に含まれる添加物や甘味料の中にも、危険なものがあります。
そのため、決して自己判断でヒト用の薬を与えてはいけません。

猫にアセトアミノフェン(市販の風邪薬や解熱鎮痛剤に含まれる)は、猛〜毒!
肝臓や赤血球のトラブルで、死んじゃうこともあるんだから!

ごはんと一緒でいいの?

基本的に指示がない限りは、一般的には食後の投与です。
しかし飲ませるのが大変ということで、食事に混ぜて飲ませることもあります。

薬によっては・・・
お腹が空いていると胃を刺激しやすく、吐いてしまうこともあります。
ただ「この薬は空腹時でないと効果が出ない」などの理由で、あえて食前・食間が指定される場合もあります。

「ご飯を食べなかったけど、薬はどうしよう?」という時は、勝手に判断せず必ず相談してねっ!

まとめ

犬や猫に薬を与えるときの時間の指示には、しっかりとした意味があります。
薬によっては、与えるタイミングを間違えると十分な効果が得られません。
また逆に、副作用が出てしまうこともあります。
投薬に対して疑問に思ったら、遠慮なく相談してください。
正しいタイミングで薬を与えることが、健康を守る第一歩です。