若山動物病院ブログ
プレパテントピリオド?
「プレパテントピリオド」って言葉があります。
実際にはその言葉を聞いたことが無くても、その言葉の意味は聞いたことがあると思います。
ちなみプレパテントピリオドを「プレパテント期」とも言うこともあります。
「プレパテントピリオド」とは?
わんちゃん猫ちゃんに、寄生虫が感染してしまうことがあります。
しかしウンチの検査で即、感染しているとわかるとは限りません!
実は感染しているかどうかがわかるまでは、多少の時間がかかってしまうのです。
「プレパテントピリオド」とは、その感染したかどうかが見つけられるようになるまでの期間のことなんです。
もっと簡単に言えば…
カラダの中にはもう寄生虫がいる、しかしウンチや血液などの顕微鏡検査では虫がいるかどうかが見つからない状態のことです。
いわゆる、虫の存在はわからない時期です。

感染してから、感染が検査で見つかるまでの間のこと。
顕微鏡検査などで、感染してるのがわかるまでの期間を「パテントピリオド」って言うんだよ!
どうして見つからないの?
寄生虫は、カラダの中に入ってすぐに「卵」を産んだり「毒素」を出すわけではありません。
カラダの中で大きく育って大きくなってから、ウンチに卵を出したり血液の中に姿を現したりします。
この大きくなるまでの間が、「プレパテントピリオド」です。

だから本当は感染していても、検査では「陰性」と出てしまうことがあるんだよ!
これって怖いよねぇ〜
どのくらいの期間なの?
「プレパテントピリオド」は、寄生虫の種類によってバラバラですがその目安を下記に紹介します。
寄生虫の名前 | 見つかるまでの目安 |
回虫 | 約2~4週間 |
鉤虫(こうちゅう) | 約2週間 |
鞭虫(べんちゅう) | 約3か月 |
瓜実条虫(ノミから感染) | 約2~3週間 |
フィラリア | 約6~7か月 |

つまり「今は検査で見つからない」
しかし「あとから出てくるかもしれない」ということなんだよ!
なにが問題なの?
「プレパテントピリオド」の間は、ウンチなんかを顕微鏡検査しても「陰性」です。
でも実は体の中では、寄生虫が育っている!
このせいで、以下のようなリスクがあります。
- 感染に気づけずに他の子に感染させてしまう
- 病気が進んでから発見
- 治療のタイミングを逃す
予防や治療はどうするの?
だからこそ、次のような対策が大切です:
1.検査が陰性でも油断しない!
感染の可能性が高い場合は、期間をおいて再検査を。
2.定期的な駆虫を行う
感染してすぐの「プレパテントピリオド中の虫」でも退治できるお薬もあります。
3. フィラリア症予防薬は毎月きちんと
フィラリアは検査でわかるようになるまで6か月かかるので、それまでに退治することが大切!
まとめ
- プレパテントピリオドとは、顕微鏡検査では見つからないけど体内に寄生虫がいる期間
- 「顕微鏡検査=感染していない」とは言い切れない
- だからこそ、定期的な予防・再検査・駆虫がとても大切