若山動物病院ブログ
珍しい病気・ナルコレプシー
「ごはんのときに、突然バタッと倒れてしまう」
「おもちゃで遊んでいたら、急に力が抜けて横になってしまった」
そんな姿を見たら、メッチャ驚いてしまいますよね!
なんだ?なんだ?
テンカン?心臓病?何だ?何だ??

それって、もしかしたら「ナルコレプシー」という睡眠に関わる神経疾患かもしれませんヨ!
症状は?
ナルコレプシーは、犬にもまれに見られる病気です。
特徴的な症状は「突然眠りに落ちるように見える脱力発作」です。
意識はありますが、体に力が入らなくなりグッタリしたようになってしまいます。
その発作は数秒〜1分ほどで、自然に回復します。
初めて見ると、突然の発作ですからビックリしてしまいますよね。
この病気は脳内の覚醒維持に関わる物質の異常によって起こるとされています、
先天性の場合には、遺伝が原因とされ子犬の頃から発症します。
ドーベルマンやラブラドール・レトリーバー、ダックスフンドなどに多く見られるとも言われています。
日本での発症率は?
発症例は非常に少なく、1万頭に1頭以下ともいわれるほど珍しい病気です。
ただ日本国内における犬のナルコレプシーの明確な発症率は、少ない病気のため統計そのものが存在していません。
ただ遺伝的にこの病気を持つ犬が繁殖に用いられた場合には、25〜100%の高確率で子に発症する可能性があるという報告もあります。
そのようなことから、まれに発症することもあるため、突然の脱力や発作が繰り返されるようであれば受診してくださいね。
テンカンや心臓病など、他の病気と見分ける必要があります。

ナルコレプシーは、命に関わる病気ではありません。
もし発症した場合には、生活環境を整えてあげることが大切です。
症状を正しく知っておけば、もしものときにも慌てずに対応できる病気です!