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3.猫の腎臓病を尿検査

3.猫の腎臓病を尿検査

猫ちゃんにとって腎臓病は、とても身近で怖い病気です。
特にシニア期に入ると発症率が高くなり、猫ちゃんの死因の上位にも挙げられるほどです。

腎臓病は一度進行すると元に戻すことができません。
そのため「いかに早く気づくか」がとても重要になります。
その手段のひとつが、オシッコの検査 です。

目次

猫の腎臓病を尿検査で早期に見つける方法

腎臓病と尿の関係

腎臓は「血液をろ過して不要な老廃物をオシッコとして出す」大事な臓器です。
腎臓の働きが低下すると、オシッコをうまく濃縮できなくなり、老廃物の排泄もうまくいかなくなります。
その変化は血液検査よりも早く、オシッコに現れることが多いのです。

尿検査でチェックできるポイント

① 比重

腎臓が健康なら、体内の水分バランスに応じてオシッコを濃くしたり薄くしたりできます。
しかし腎臓病になると調整ができなくなり、常に薄いオシッコ(比重が低い) が続くようになります。
症状が出る前でも、オシッコの比重の変化は腎臓病のサインになるのです。

② タンパク

オシッコの中にタンパク質が漏れ出すと「尿タンパク陽性」となります。
これは腎臓のフィルターが傷んでいるサインです。
持続的に尿タンパクが検出される場合、慢性腎臓病のリスクが高まります。

③ 沈渣(尿の中の細胞や結晶の観察)

腎臓病の猫ちゃんでは、尿路感染や尿石を併発することもあり、
尿沈渣の顕微鏡観察で白血球や結晶が確認されることがあります。
これも腎臓に負担をかける要因となるため、見逃せないポイントです。

尿検査で早期発見できるメリット

腎臓病は「症状が出たときにはかなり進行している」ことが多い病気です。
食欲不振や体重減少、嘔吐、多飲多尿などが目立つ頃には、腎臓の機能はすでに半分以下になっていることも少なくありません。

しかしオシッコの検査で比重やタンパクの異常を早く見つけられれば、まだ元気なうちに治療や食事管理を始められます。
これは猫ちゃんの寿命や生活の質に直結する大きなメリットです。

まとめ

猫ちゃんの腎臓病は、早期発見・早期対応がカギとなります。
そのために、定期的なオシッコの検査がとても重要になります。
特に7歳以上のシニア猫や、水をよく飲む・オシッコの量が増えたと感じる場合には検査を受けてみましょう。
症状が出る前に気づければ、食事療法や投薬で進行をゆるやかにすることもできます。
また一緒に楽しく過ごせる時間も、大きく延ばすことができます。