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4.犬の膀胱炎・尿石症を防ぐ

4.犬の膀胱炎・尿石症を防ぐ

ワンちゃんの泌尿器のトラブルで多いのが、膀胱炎と尿石症です。
これらの病気は繰り返しやすく、放っておくと命に関わることもあるため注意が必要です。
しかし定期的なオシッコの検査で早期発見し、発症を予防することもできます。
今回はワンちゃんの膀胱炎や尿石症とオシッコの検査の関係について、解説します。

目次

犬の膀胱炎・尿石症は尿検査で防げる?

膀胱炎とは?

膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起きる病気です。
その多くは細菌感染が原因となり、頻尿・血尿・オシッコする時の痛みなどの症状が見られます。
特に女の子は尿道が短いため、男の子よりも膀胱炎になりやすいといわれています。

尿検査では以下の異常が確認できます。

  • 白血球や細菌の検出
  • 尿中の赤血球(血尿)
  • pHの変化

症状が軽いうちや無症状の時点で発見できれば、早期に治療でき重症化を防げます。

尿石症とは?

尿石症は、オシッコの中のミネラルが結晶化して石(結石)になる病気です。
ワンちゃんではストルバイト結石やシュウ酸カルシウム結石が代表的です。
結石が膀胱や尿道に詰まると、排尿困難や強い痛みを引き起こすことがあります。
また最悪の場合は、オシッコが出なくなり命に関わる緊急事態となります。

オシッコの検査では、以下が手がかりになります。

  • 結晶の有無(ストルバイト、シュウ酸カルシウムなど)
  • pHの異常(アルカリ尿や酸性尿)
  • 血尿や炎症所見

結晶の段階で発見できれば、食事療法や水分管理で結石化を防ぐこともできます。

尿検査で防げる理由

膀胱炎や尿石症は、症状が出てからではすでに進行していることが多い病気です。
しかしオシッコの検査を行えば、自覚症状が出る前に異常を発見できる という強みがあります。
たとえば比重やpHのちょっとした変化、わずかな白血球や結晶の存在です。

このようにオシッコの検査を取り入れることで、膀胱炎や尿石症を未然に防ぐこともできます。
しかも投薬などすることもなく、日々の生活管理を行うこともできます。

ご家庭でできる予防の工夫

膀胱炎や尿石症を防ぐには、日常生活での工夫も大切です。

  • 水分をしっかり摂らせる(水を複数箇所に置く)
  • 適切な食事管理(結石予防フードの活用)
  • トイレ環境を清潔に保つ(排尿を我慢させない)

これに加えて定期的なオシッコの検査を行うことで、トラブルを大幅に減らせます。

まとめ

ワンちゃんの膀胱炎や尿石症は、決して珍しい病気ではありません。
しかもオシッコの検査を定期的に行うことで、早期発見・予防が可能です。
特に膀胱炎や尿石症のリスクが高いワンちゃんは、年に数回のオシッコの検査をおすすめします。
健康寿命を伸ばすためにも、オシッコの検査を「病気が出てから行うもの」ではなく「病気を防ぐために行うもの」と考えてみてくださいね。