若山動物病院ブログ
猫もかかる?レプトスピラ症
「レプトスピラ症」という病気は、犬でよく知られている感染症です。
命に関わることもある危険な病気です。
「猫もかかるの?」と心配される飼い主さんも多いのではないでしょうか。
目次
猫のレプトスピラ症について
レプトスピラ症ってなに?
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌によって起こる病気です。
ネズミなどの野生動物が菌を持っていて、尿を通して環境に排泄します。
そのため水たまりや湿った土壌が汚染され、そこに犬や猫が触れると感染することがあります。
特に雨の季節や水辺での生活環境は、感染リスクが高くなります。
猫は感染するの?
はい、猫もレプトスピラに感染することはあります。
ただし犬との違いは大きく、猫は感染しても 症状を出さないことがほとんど です。
研究や調査では、野良猫や外に出る猫で抗体(感染した証拠)が見つかることがあります。
しかし臨床的に重症化するケースは非常にまれとされています。
猫がかかったときの症状は?
もし症状が出るとすれば、犬と同じように以下のような変化が見られることがあります。
- 発熱
- 食欲不振
- 黄疸(目や皮膚が黄色くなる)
- 腎臓の異常(尿が少ない・出ない)
しかし、これは非常にまれです!
多くの猫は「感染しても気づかないうちに治っている」と考えられています。
ヒトへの感染は?
レプトスピラ症は人獣共通感染症、つまりヒトにも移る病気です。
猫が感染した場合でも、尿から菌を一時的に排泄する可能性はあります。
ただし、犬と違って猫が長期に菌を出し続けることはほとんどありません。
そのためヒトへの感染源としては、犬やネズミの方がはるかに重要です。
とはいえ屋外に出る猫の排泄物を扱う際には、注意が必要です。
心配であれば手袋を使い、処理後に手をよく洗うという基本的な衛生対策をしておくと安心です。
猫の予防方法は?
猫用のレプトスピラワクチンはありません。
そのため、予防の基本は 生活環境を清潔に保つことです。
- 完全室内飼いにして、水たまりや野生動物と接触しないようにする
- ネズミが入らないように家の環境を整える
- 多頭飼育の場合、犬がレプトスピラ症にかかったら猫の健康チェックも受ける
これらを徹底すれば、猫がレプトスピラ症にかかる可能性はほとんどなくなります。
まとめ
- 猫もレプトスピラに感染することはあるが、症状を出すのはとてもまれ。
- ほとんどの猫は感染しても自然に治ってしまう。
- ヒトへの感染源としては犬やネズミが中心で、猫からの感染リスクは低い。
- 完全室内飼育と清潔な環境管理が最大の予防。