若山動物病院ブログ
なぜ4日連続でレプトスピラ症を書いたのか
レプトスピラ症という病気について、私は4日間連続でブログを書き続けました。
この「まとめ」では、なぜそれほどまでに記事を重ねたのか、その背景と想いをお話ししたいと思います。
いま眼の前にある現実
現在、当院ではレプトスピラ症を疑う犬の治療を行っています。
腎臓は障害され、尿はほとんど出ず、肝臓も傷んで全身が黄疸に包まれていく・・・
毎日が緊張の連続で、一刻を争う治療を続けています。

飼い主さんの「昨日まで元気だったのに、どうして」という言葉。
その切実な思いに向き合いながら、スタッフの皆が「もっと多くの人にこの病気を知ってほしい」と強く感じています。
知らなければ守れない
診察室の中では、こうした深刻な症例と出会うことは決して珍しくありません。
しかし、一般的には「そんな病気があることさえ知らなかった」という飼い主さんが大多数です。
・都会だから大丈夫
・外に出ないから平気
そう思っている飼い主さんも、少なくありません。

実際には、どこにでもリスクは潜んでいます。
だからこそ、病気を知ってもらうことが第一歩なのです。
なぜ連続で書いたのか
1本のブログでは、すぐに情報が流れてしまいます。
しかもレプトスピラ症はメジャーな病気ではないため、飼い主さんの病気に対する意識も高くはありません
そのような病気は「一度読めば十分」とは言えず、繰り返し触れて、ようやく意識に残る病気です。
だからこそ、私は連日して記事を発信しました。

「また同じ病気のことを書いている」と思われても構いません。
それよりも、一人でも多くの飼い主さんに届くことが大切だからです。
【レプトスピラ症シリーズ記事一覧】
【第1回】水たまりにご用心!犬のレプトスピラ症症とは?
【第2回】都会でも油断できないレプトスピラ症
【第3回】猫もかかる?レプトスピラ症
【第4回】犬と猫で違う?レプトスピラ症
こちらのシリーズ記事とあわせて読むことで、レプトスピラ症の全体像がより鮮明に見えてきます。
飼い主さんへのお願い
私たち獣医師や動物看護師を含めスタッフたちが全力で治療にあたります。
しかし、本当に命を守るためには飼い主さんの行動が欠かせません。
- 雨上がりの水たまりに近づけない
- ネズミや野生動物が出そうな場所を避ける
- 散歩後は足を洗う
- ワクチンにレプトスピラ株が含まれているか確認する
こうしたシンプルな習慣が、愛犬の命を守る大きな力になります。
伝えたいこと
今回の連続記事は、知識を並べることが目的ではありません。
「病気になって欲しくない」「苦しむ子を増やしたくない」
そんな現場からの切実な声を届けるためのものでした。
この記事を読んだ飼い主さんが、少しでも「うちの子を守るために気をつけよう」と思ってくだされば、それがまた別の命を救うことにつながります。