若山動物病院ブログ
猫と眼を合わせてはいけない
猫ちゃんとの距離が縮まるために
飼い主さんが猫ちゃんの眼を、見つめると・・・
猫ちゃんがスッと顔をそらしたり、距離をとったりすることがあります。
また今までは横を通っても何も事もなかった猫ちゃんが、なぜか・・・
その日を境に、姿を見ると逃げ出すようになってしまった。
そのような状況を経験したこと、ありませんか?

私んちの猫なんか、もう常時ソーシャルディスタンス状態になっちゃって・・・
私の顔を見るとスーって離れてくの、とっても悲しい・・・
眼をジーッと見つめてはダメ
実は猫ちゃんと暮らすとき、ジーッと眼を見つめてはダメッ!
そんな話を聞いたことはありませんか?

なぜ?
猫ちゃんは眼を合わせることを避けるのでしょう?
そして、どうすればまた猫ちゃんとの信頼関係を取り戻せるのでしょう?
猫ちゃんにとり「眼を見つめる」とは
猫ちゃんの世界では、眼をジッーと見つめることは「敵意」や「挑発」を意味するのです!
野生の猫ちゃんの世界では、眼を合わせるのは「今から戦うぞぉッ!」というサインなんです。
ですから飼い主さんが愛情を愛情を込めて、眼を見つめたとしても・・・
猫ちゃんにとっては「ケンカを売られている」と感じてしまうことがあるのです。
もちろん、すべての猫ちゃんが同じように感じるわけではありません。
性格が穏やかな猫ちゃんは、多少のアイコンタクトは受け入れることもあります。
でも多くの猫ちゃんにとって「見つめられること」は、ストレスの原因にもなってしまうんです。

眼を合わせないのは「安心している」証拠
猫ちゃんが飼い主さんの眼を避けるとき、それは「信頼しているからこそ」でもあります。
猫ちゃんにとって視線をそらすことは「私は敵意がないよ」というサインなんです。
つまり猫ちゃんがそっと眼を閉じたり、視線を外したりするのは「あなたを信じています」「安心しています」というメッセージなのです。

「眼を合わせてくれない=嫌われた」と感じる飼い主さんは少なくありません。
でも、それって間違いなんですよ!
その逆の場合も多いんです。
急に寄って来なくなったときの背景
今まで甘えてきた猫ちゃんが、突然寄って来なくなったら寂しいですよね。
そうなってしまった理由はいくつか考えられます。
1. 体調の変化
猫ちゃんは体調が悪いとき、あえて飼い主さんから離れて静かに過ごそうとします。
これは本能的な行動なんです!
2. 環境の変化
引っ越しや家具の移動、新しい家族の登場など、生活環境の変化が猫ちゃんの心を不安にさせます。
3. 飼い主さんとの関わり方
忙しさでスキンシップが減ったり、つい強く見つめすぎたりすることも、猫ちゃんにとっては「少し距離を置きたい理由」になることがあります。

猫ちゃんが急に寄らなくなったときは「嫌われた」と思い込まないで!
「なぜそうしているのかな?」と優しく見守ってあげてください。
信頼を取り戻す「まばたきの魔法」
猫ちゃんと良い関係を築く合図として知られているのが「ゆっくりまばたき」です。
猫ちゃんの眼をじっと見るのではなく、眼が合ったらそっと「ゆっくりまばたき」してみましょう。
これは猫ちゃんにとって「私は安心しているよ」「敵意はないよ」というサインなんです。
多くの猫ちゃんは、このメッセージを受け取りってくれます。
「眼をジーッと合わせる」のではなく、「まばたきで心を通わせる」。
これが猫ちゃんとの距離を縮める、大切なポイントなんです。

最後に
猫ちゃんはヒトのように、言葉で気持ちを伝えることはできません。
だからこそ、行動の一つひとつに込められたサインを読み取ってあげることが大切です。
猫ちゃんが眼をそらしたり、そっと離れていったりするのは「信じているからこそ安心して過ごしている」サインであることも多いのです。
もし急に距離をとるようになったら、それは猫ちゃんなりの「体調の変化」や「心のサイン」ってこともあります。

「どうして寄ってこなくなったんだろう」と、悲しまないでください!
そのような時には、猫ちゃんの気持ちに寄り添って静かに傍にいてあげてください。