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台風の日に思う「予防医療の大切さ」

台風の日に思う「予防医療の大切さ」

台風15号は、ここ佐倉にもやってきました!
千葉県では朝から強い雨風に見舞われ、交通機関の乱れや停電など生活への影響が広がったそうです。
その影響からか、当院も予定されていた多くの健康診断がキャンセルとなりました。
中には「暇になってそうだから、来たよ!」という飼い主さんもいらしゃいました・・・

目次

嵐の中でも来院せざるを得ない

健康診断とは『予防のための診療』です。
ですから「天候が落ち着いてから」という選択肢も、あります。

しかし病気が進んでいて、具合が悪ければどうでしょうか?
台風であろうと雪であろうと、どうしても受診しなければならない場合もありますよね!

実際の、過去の出来事です。
大荒れの日に、呼吸困難に陥った犬を抱えて飼い主さんがビショ濡れで駆け込んで来られた・・・
腎不全で点滴治療を続けている猫ちゃんを連れて来た方も・・・
このように病気になると、天候を選べないこともありますよね?

だからこそ「予防」が大切

今回も台風で健康診断が延期されたとき、改めて思ったのは「予防医療の大切さ」でした。
病気が進んでからでは、飼い主さんも辛い思いをします。
そして台風や大雪、猛暑や寒波といった自然のリスクが重なると、さらに負担が大きくなります。

しかし定期的に健康診断を受け早期に異常を見つけておけば、通院に余裕を持つことができます。
たとえば初期の腎臓病であれば食事管理などでコントロールでき、緊急での来院を避けられますよね。

つまり「予防に力を入れることで、動物も飼い主さんも安全に安心して過ごせる」
これが今回の台風で、再認識したことでした。

「予防医療」とはどういうものなの

医学の世界では予防を段階的に分けて考える方法があり、「一次予防」「二次予防」「三次予防」という分類が広く用いられています。

一次予防:病気を「未然に防ぐ」

一次予防とは「病気になる前に病気を防ぐ」段階で、ワクチン接種やフィラリア予防薬の投与、ノミ・ダニの予防などがその代表です。
また日常の食事管理や運動、デンタルケアなども一次予防に入るかと思います。
つまり病気の芽を摘み取る、あるいは病気になることを防ぐ取り組みです。

この一次予防を頑張ってると、災害時に「どうしても動物病院に行かねば!」ということがグーッと減ります。

二次予防:早期発見・早期治療・発症予防

二次予防は「病気を早期に見つけ、早期に対応すること」です。
具体的には定期健診や血液検査、尿検査、レントゲンや超音波検査などがこれに当たります。

例えば腎臓病や心臓病などは、症状が現れた時にはすでに病気が進行しています。
しかし健康診断で発症前の状態とわかれば、生活習慣の改善や投薬で進行を遅らせることができます。
「健康診断」は、この二次予防の中心的なものなのです。

大雨でも無理に動物病院に行かなくても、数週間の延期しても大きな支障はありません。
これも「予防の段階で、病状をしっかり確認している」からこその余裕なのです。

三次予防:再発予防と生活の質(QOL)の維持

三次予防は「発症してしまった病気が悪化しないようにする」「再発を防ぐ」「生活の質を維持する」という段階です。
たとえば心臓病からの肺水腫の再発を防いだり、糖尿病でインスリン治療を行っている場合に合併症を防ぐことなどです。

三次予防は「病気と上手に付き合い、元気な時間をできる限り保つこと」です。
この段階になると通院の回数が増えてしまいます。
また場合によっては災害時でも「通わざるを得ない」状況になってしまうこともあります。
だからこそ一次予防・二次予防の段階での対策が、とても大切になります。

「行ける時に行ける」から安心を

動物病院に行くタイミングは、飼い主さんにとっても大切なものです。
大雨や台風の日に無理をするよりも、落ち着いた天気の日の方が良いに決まっています。
予防医療は、その余裕を生み出してくれるものなんです。

「行ける時に行ける」
そんな選択肢を持てることこそ、飼い主さんとにとっても大きな安心と思いませんか?

最後に

今回の台風15号では、午後の健康診断のほとんどは延期となりました。
それは「予防だからこそ先延ばしできる」という安心の証でもあります。
病気を抱えていたら、台風でも外出しなければならない・・・
そんな現実を知っているからこそ、私たちは今後も「予防医療」を頑張っていきたい!
そう思っています。