若山動物病院ブログ
腎臓の検査で行う「SDMA」とは?
わんちゃん猫ちゃんとって腎臓の病気は身近でありながら、早期発見が難しい病気とも言われています。
そのため「気づいた時には腎臓の機能がかなり落ちていた・・・」ということも、少なくありません。
それって困りますよね?
そこで近年注目されているのが、SDMA検査(対称性ジメチルアルギニン測定) です。

SDMA検査の仕組みや他の検査との違い、正常値、そしてなぜ大切なのかを説明するね!
腎臓の働きって?
腎臓はカラダの中で「フィルター」のような働きをし、血液から不要な老廃物や毒素を取り除きオシッコと一緒にカラダの外へ出す働きをしています。
また水分や塩分のバランスを保ったり、血圧を調整するホルモンを作る、赤血球を増やすホルモンを出すことも腎臓の大切な働きです。

だからdさぁ〜
腎臓の機能が落ちてしまうと、カラダ全体に大きな影響が出ちゃうんだよね!
これまでの腎臓の検査方法
わんちゃん猫ちゃんの腎臓の健康を調べるためには、以下のような検査が一般的でした。
というか、今も普通に行われている検査項目です。
血液検査
血液中に老廃物がどれくらいたまっているかを調べる、それがBUN(尿素窒素)とCRE(クレアチニン)です。
これらの検査は、腎臓の機能がすでに75%以上失われてから異常値として現れます。
そのため「早期発見には遅い」と言われている検査です。
オシッコ検査
オシッコの比重やタンパクを調べ、腎臓がどれくらい濃いオシッコを作れるか、タンパクが漏れていないかをチェックします。

でもォ〜体調や飲んだ水の量でも、検査結果が変わってしまうんだよね。
だから腎臓病の「初期段階」を見逃してしまうこともあったりして・・
SDMA検査とは
そこで登場したのが、SDMA検査 です。
SDMAとは「対称性ジメチルアルギニン」という物質のことです。
SDMAはカラダの中で自然に作られ、腎臓からオシッコの中に排泄されます。
そのため腎臓のろ過する機能が落ちると、血液中のSDMAが上がっていきます。

だからSDMAは「腎臓の機能を敏感に反映」するって・・ことなのね!
SDMAno
特徴
腎臓の機能が40%程度失われた段階で上昇する
▶️ クレアチニンよりもずっと早く、異常を知ることができる。
体格や筋肉量に影響されにくい
▶️ 痩せていてもシニアでも信頼性が高い。
血液だけで測定可能
▶️ 通常の血液検査に追加することができ、カラダの負担が少ない。

つまりSDMAは 「腎臓病の早期発見を可能にする、新しいマーカー」 とも言えるんだよ!
他の検査との関連
SDMAは、単独で診断するものではありません。
従来の検査と組み合わせることで、さらに正確に腎臓の状態を把握することができます。
SDMAが高い × クレアチニン正常
▶️ まだ早期の腎臓病の可能性あり。
SDMAが高い × クレアチニンも高い
▶️ すでに腎臓病が進行している。
尿検査と併用
▶️ タンパク尿や尿比重と組み合わせると「腎臓のダメージの度合い」が、より明確にわかります。

SDMAは「腎臓が、いち早く出してくれる警告」として、役立ちます。
犬と猫の正常値
IDEXXなどの検査会社のSDMAの正常値の基準は、だいたい 0~14 μg/dL とされています。
- 15以上 ▶️ 腎臓病の可能性あり。
- 20以上 ▶️ 明らかな腎臓の機能低下を示すことが多い。

ただ腎臓の機能の評価は、他の検査結果と合わせて総合的に判断しないとだよ!
SDMA検査を受けるタイミング
- 7歳以上のシニア犬・猫の健康診断
- 慢性的な体重減少、元気食欲の低下がある場合
- 水をよく飲む、オシッコが増えたなどの変化があるとき
- 腎臓病が心配な猫種(ペルシャ、メインクーンなど)
特に猫には腎臓病が多く、約3頭に1頭が腎臓病になると言われています。

定期的に、SDMAを含めた腎臓の検査を行うと良いんだよ!
まとめ
SDMA検査は、犬や猫の腎臓病を「早く見つける」ための大切な検査です。
従来のBUNやクレアチニンでは遅れてしまうサインも、SDMAならより早い段階で見つけることができます。
健康寿命を伸ばし、これからの時間を快適に過ごすためにもSDMA検査の意義を知って下さい!