若山動物病院ブログ
元気がないと思ったら
元気がないと思ったら「オナラ」が原因だった!?

先生!グッタリして、元気もなく寝てばかりんなんです。
食欲も無くて、名前を呼んでも振り向かなくて・・・
飼い主さんの足元には、フレンチブルドッグの女の子が・・・
メッチャ陽気でおちゃめな彼女が、いつもとはチョット違う様子なんです。
体温、心拍、呼吸、どれも正常。
でもでも、なにかが「おかしい」んです。


家じゃ、全く動かないし・・・
ご飯も食べないし・・・
心配で、心配で・・・
飼い主さんの鼓動が、徐々に早くなっていくのがわかります。
そんな彼女、病院に来たら・・・まさかの展開なんです!
家じゃグッタリなのに、診察室の中に入ると・・・・
尻尾はブンブンッ!
診察台の上でピョンピョン跳ねて、スタッフの皆にご挨拶。

実は、これって・・・あるあるなんです。
緊張や興奮でアドレナリンが出ると、一時的に元気になっちゃう子がいます。
でも今回は、その元気の裏側には原因が隠れていました。

でもぉ〜なんか空元気っぽい感じが・・・
そんなことから、さらにカラダをチェック!
お腹の中を確認すると、腸の中にはウンチとガスがぎっしり!
原因は・・腸の動きが悪くなってウンチやオナラが詰まっていたんです。
ワンちゃんの腸は、とてもデリケートなんです。
特にフレンチブルドッグのような筋肉質で胴の短い犬種は、腸の動きがにぶくなりガスがたまりやすくなっています。
オナラで体調が悪くなる
お腹にオナラがたまるとお腹が張るだけでなく、横隔膜を圧迫し呼吸も浅くなります。
また血液の流れが悪くなり「カラダがだるい」「動きたくない」、そんな状態にもなってしまいます。
お腹が張るだけでも、結構痛いってことありますよね?
言ってみればオナラで、腸閉塞状態みたいな感じになっちゃったってことです!
だから、家ではグッタリ!
しかし病院に来てテンション上がってカラダを動かしたりするうちに、腸が刺激されて動き出す・・・
「尻尾ビンビン現象」は、そんなことからだったんです。
フレンチブルドッグは腸が弱い!?
フレンチブルドッグの特徴は
- 鼻が短い(=息を吸うたびに空気を飲み込みやすい)
- 興奮しやすい(=飲み込む空気が増える)
- 筋肉量が多く、体温調整が苦手(=水分不足になりやすい)
これらが重なると、腸にウンチやガスが溜まりやすくなります。
かわいい顔に似合わずお腹トラブルが多い犬種なんです。
お腹スッキリ大作戦!
そこでお腹マッサージと、腸の緊張を取り除く薬や乳酸菌剤などで腸内環境の改善です。
時間が経つにつれ、彼女の顔つきがどんどん明るくなっていくのです。
腸の動きが悪いってことは、単なる便秘では済まないこともあります。
オナラやウンチが増えすぎたことから腸の血液の流れが悪くなって、大変な状態になってしまうことがあります。
腸が捻れてしまったりすれば、関わることもあります。
だから「チョットお腹が張ってるかも」「いつもより動きが悪い」、そんな小さな変化を見逃さないようにしましょうね。
おうちでできる三つの腸にケア
1.こまめに水を飲ませる
室内が乾燥している季節は、脱水しやすくウンチが固くなってしまうことがあります。
食べ物よってもウンチが固くなってしまうことがあります!
そのような状態にならないよう、ウンチの固さには注意をしてください!
2.お腹の「の」の字マッサージ
やさしく手のひらでお腹をなでるだけでも、腸は刺激されます。
またお腹を冷やさない工夫として、腹巻き!
3.軽い運動を習慣に
短時間でもOKです。
散歩で血液の流れを良くしてあげます。
動くことで、腸の動きも良くなります。
腸が動けば、カラダも心も元気になります。

今回のように「家ではグッタリ→病院で元気」という子は少なくありません。
しかも「元気に見える=安心」とは限りません。
犬は痛みや不快感を隠すのが上手だからこそ、小さなサインを見逃さないことが大切です。
腸が動けば、笑顔にもなる。
今日もお腹スッキリで、ごはんもモリモリ!
そんな姿を見ると、飼い主さんもホッと笑顔になりますね
フレンチブルドッグをはじめ、短頭種の子たちは「腸のトラブル」がとても多いんです。
もし「最近元気がない」「お腹がパンパン」「うんちが出にくい」と感じたら、早めの受診をおすすめします。
お腹の中がスッキリするだけで、快適に暮らせます!