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若山動物病院ブログ

無症状でも放っておかないで

猫の胆石

猫の胆石

今回の健康診断で、胆石が見つかりましたよ!
肝臓など、他の臓器には全く問題はありませんでした。

えぇッ?胆石??
胆石って胆嚢の中にできる、あの石ですか?
猫にも胆石があるなんて、ビックリ!

実は猫の胆石は、まれに見つかるものの無症状で進行するものがほとんどです。
しかし・・・
「無症状だから安心」とは、言い切れません!
放っておくと胆汁の流れが悪くなったり、胆管が詰まったりすることもあります。

目次

胆石ってどんな病気?

胆嚢とは肝臓の下の方にある袋状の臓器で、その中にできる石のようなかたまりが胆石です。
胆嚢には「胆汁」という消化液が溜まりますが、この胆汁が濃くなったり成分のバランスが崩れたりすると石ができてしまいます。

猫の胆石は犬に比べると少ないのですが、健康診断でのレントゲン検査や超音波検査で偶然見つかることがあります。

無症状のことが多いけれど

多くの猫ちゃんは胆石があっても元気で、食欲もあることがほとんどです。
しかし胆石が大きくなったり、胆嚢の中で動いたりすると・・・

  • 胆管閉塞;胆管が詰まって胆汁が流れなくなる
  • 胆嚢炎・肝炎;胆のうや肝臓に炎症が起きる
  • 膵炎;膵臓に炎症が広がる

などの問題が起こることがあります。

こうなると黄疸や・吐き気、食欲不振、発熱などの症状が出てきます。
またすぐに治療や手術が必要になることもあります。

無症状のときの治療法

経過観察が基本

症状も血液検査でも異常がない場合は、定期的なエコー検査を行い経過観察となります。

3~6か月ごとに胆石の位置や大きさ、胆泥の量をチェックしましょうね!
それで胆嚢や胆石の状態を、確認します。

胆汁の流れをよくする薬

胆泥がドロドロしてたり胆泥の量が多い場合などには、内服薬を使います。
胆汁がサラサラになり流れが良くなり、石ができにくい環境を整えます。

食事管理は大切です!
高脂肪のフードやオヤツの与えすぎは、胆汁の流れを悪くします。
そのため低脂肪で高品質なタンパク質を多く含むフードを、選んであげます。

手術が必要になる場合も

もし胆石が胆管をふさいでしまうと、薬では改善が難しくなります。
その場合には、胆石を胆嚢ごと摘出する手術(胆嚢摘出術)が行われます。

猫はカラダが小さいため、手術リスクが高くなります。
そのため症状や検査の結果から、総合的に判断しなくてはなりません。

発症を防ぐためのケア

猫の胆石は日常のケアに注意し、発症の予防と再発を防ぐようにします。

1.水分をしっかりとる
  胆汁が薄まり、胆汁が流れやすくなります。

2.太らないこと
  太ると胆汁の動きが悪くなり、胆泥が溜まりやすくなります。
  定期的に体重を測ってカラダが重くならないよう、体重を維持します。

3.定期的な検診
  定期的に、血液検査とエコー検査を行います。

4.肝臓の健康を保つ
  肝臓の働きが弱まると、胆汁の粘度が上がりドロドロになります。
  脂肪肝にならないように注意することが、胆石の予防にもつながります。

ポイントは「胆汁をドロドロにしないこと」
それが大切なのね!
ケア、頑張らなくちゃ!

まとめ

無症状でも「定期的なチェック」が大切です!
胆石は今すぐ命に関わるようなものではありませんが、放置してよいものでもありません。
「小さな変化を早く見つける」ことが、猫ちゃんの健康を守る第一歩となります。
日常の食事、水分、定期的な検診で胆嚢の健康を守ってあげましょう。