若山動物病院ブログ
脂漏症ってなに?

最近、うちの子のカラダがベタつくし・・・
なんだか体臭が強い気がするの。

それって脂漏症かもですよ!
じゃぁ〜脂漏症について説明ね
ベタつきフケ臭いはトラブルのサイン
脂漏症とは、皮脂の分泌バランスがくずれてしまうことで起こる皮膚の病気です。
脂漏症には皮脂が多く出てベタつく「脂性タイプ」、乾燥して粉のようなフケが出る「乾性タイプ」があります。
見た目のトラブルだけでなく、放っておくと痒みや細菌感染などを起こしてしまいます。
脂漏症の原因
脂漏症には大きく2つのタイプがあります。
原発性脂漏症
「体質や遺伝」が関係しているタイプです。
特にコッカースパニエル、シーズー、ダックス、ウェスティなどに多く見られます。
皮脂腺や角質の働きが生まれつきアンバランスなため、定期的なケアを必要とします。
続発性脂漏症
このタイプが圧倒的に多いです。
「他の病気や環境が原因」で皮脂の分泌が乱れている状態です。
たとえば・・・
- ホルモンの病気(甲状腺機能低下症、クッシング症候群)
- アレルギーやアトピー性皮膚炎
- 栄養バランスの乱れ(脂肪酸・ビタミン・亜鉛不足)
- マラセチアなどの感染
- ストレスや季節の変化
このような要因が重なって、皮膚のバリア機能が弱り脂漏症となってしまいます。
治療の基本は「皮膚ケア+原因治療」
まずは皮膚の状態を整えるケアから始めます。
シャンプー療法
皮脂のタイプに合わせた専用のシャンプーを使います。
■ 脂性タイプ(ベタつき・ニオイ)
• サリチル酸、硫黄、過酸化ベンゾイルなどを配合したシャンプー
• 余分な皮脂を取り除き、細菌やマラセチアの増殖を防ぎます。
■ 乾性タイプ(フケ・カサカサお肌)
• 保湿成分(オートミール・グリセリン・セラミドなど)を含むシャンプー
• 皮膚のうるおいを保ち、バリア機能を回復させます。

脂漏症では皮脂の質やバランスが乱れ、皮膚バリアが壊れています。
このため外から水分が逃げやすく、皮膚の表面は脂っぽくても角層内部は「水分不足(インナードライ)」になっている状態です。
皮脂のニオイが強い、べたつきがひどいのときは「洗浄と抗菌」を優先し、保湿は控えます。
マラセチアや細菌感染がある場合は治療用シャンプーを続け、保湿は症状が落ち着いてから行います。

内服や外用薬を併用
マラセチアや細菌感染がある場合は、抗真菌薬や抗菌薬を使用します。
痒みが強いときは、痒み止めを使うこともあります。
またオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)やビタミンEを補い、皮膚の炎症を和らげ皮膚の再生を助けます。
フード選びも大切な治療
皮膚の健康を取り戻すには、カラダの中から体調を整えることが大切です。
そのためには、皮膚のバリア機能を支える栄養がしっかり配合されているフードを使います。
ビオチン・亜鉛・オメガ脂肪酸が配合され、皮膚を内側からサポートするものや、たんぱく質源を限定したものなどいくつかのフードがあります。
また肝臓の調子やホルモンなど、カラダの中を調べます!

フードを変更しても、すぐに結果が出るわけではありません。
しかし2~3か月ほど続けると、毛づややフケの量に変化が見られることがあります。
腸内環境を整えることも忘れずに!
「皮膚と腸はつながっている」と言われています、
そのため、腸内バランスが乱れると皮膚の免疫も崩れやすくなります。

フードを変更しても、すぐに結果が出るわけではありません。
しかし2~3か月ほど続けると、毛づややフケの量に変化が見られることがあります。
プロバイオティクス(善玉菌)を配合したフードやサプリも、お勧めです。
ケアは継続がポイント!
脂漏症は体質が関係しているため、治りずらい病気です。
また一度治ってたと思っても、再度発症しやすい病気でもあります。
季節の変わり目やストレスでも悪化することがあります。

皮膚のケア、フード、環境のバランスよく保ってあげます。
そして「治す」よりも「コントロールする」ことを目標にしましょうね。
まとめ
- 脂漏症は皮脂バランスの乱れが原因の皮膚病です。
- シャンプー・内服・フードでカラダの内側と外側からケアをします。
- 原因を見極め、長期的なコントロールが大切です。
皮膚のトラブルは、早めに対処することで重症化を防げます。
もし「最近ちょっとお肌の調子が悪いな?」と感じたら、お気軽にご相談くださいね。