佐倉市の動物病院なら若山動物病院|セカンドオピニオン対応

若山動物病院ブログ

探しモノ

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

今日は8ヶ月齢になるワンちゃんの去勢手術がありました。
この子は、他の子とは違うユニークな個性を持っていました。

ユニークな個性とは、『陰睾(いんこう)』だということ。

陰睾
1つだけしかない睾丸


『陰睾』とは、精巣の左右どちらか1つ、もしくは左右両方とも陰嚢まで移動できずにお腹の中や皮膚の下で留まってしまう状態のことで、「潜在精巣」「停留精巣」「停留睾丸」とも言われます。

生まれたばかりのワンちゃん猫ちゃんの精巣はお腹の中の腎臓近くに存在し、成長とともに移動していき、生後1〜3ヶ月ほどで陰嚢の中に収まります。
遅くとも生後8ヶ月頃までに精巣が陰嚢に収まらない場合、その後も潜在したままである可能性が高いと考えられています。


ごくまれに「単睾(たんこう)」「単睾丸症」「単精巣症」と言う、先天的に片方の睾丸が完全に欠如している場合もあります。
陰睾なのか、単睾なのかを調べるには腹部のCT検査が必要になります。

犬の睾丸
左:陰嚢に収まっていた睾丸 右:お腹の中に入っていた睾丸


『陰睾』だった場合、注意しなければならないのは「中高齢期になって腫瘍化することがある」ということです。
精巣が2つとも陰嚢に収まっている子も精巣腫瘍になることはありますが、陰睾の子は精巣腫瘍の発生率が正常の子に比べて10倍以上高いと言われています。
精巣がお腹の中にある場合は腫瘍化してもある程度の大きさにならなければ症状を出さず、発見が遅れてしまうことがほとんどです。


去勢手術は『予防を目的』とした手術です。
精巣を摘出することで性ホルモンが原因となっておこるさまざまな病気や問題行動を未然に防ぐことができます。

ブログタグ: