若山動物病院ブログ
「皮膚を治す」には「腸を整える」

脂漏症と腸内環境の深い関係
「脂漏症」は、皮膚がベタついたりフケが出たりする、なかなか改善が難しい病気です。
そのような脂漏症ですが・・・
実は腸の状態が皮膚の健康に大きく関わっていることを、ご存じでしょうか?
今回は脂漏症の改善に欠かせない「腸内環境を整える方法」についてです。
腸と皮膚はつながっている!
「腸は第二の脳」とも呼ばれるほど、免疫力やホルモンのバランスをコントロールしている臓器なんです。
そんな腸の中には、数兆個の細菌が住んでいます。
しかもその細菌のバランスが崩れると、カラダ全体の働きにも影響してしまいます。
腸内環境が乱れると、以下のようなことが皮膚に起こりやすくなります。
- 皮膚のバリア機能が弱くなる
- 炎症が起こりやすくなる
- アレルギー反応が強まる
このような変化が積み重なると、皮膚の状態が悪化してしまうのです。

「腸を整えること」は「皮膚の状態を良くするための第一歩」なんです!
そこで、腸を整える話をしましょうね
腸を整える3つのポイント
プロバイオティクス:善玉菌を補う
腸内で「良い働きをする菌」を直接与える方法です。
代表的なものに乳酸菌、ビフィズス菌などがあります。
これらは腸のpHを整えて、悪玉菌が増えるのを防ぎます。
プレバイオティクス:善玉菌のエサを与える
「菌を入れる」だけではなく、「菌が育つ環境」を作ります。
そのために役立つのが、水溶性食物繊維であるフラクトオリゴ糖などです。
これらは腸内で発酵し「短鎖脂肪酸」という物質を作り、腸の粘膜を保護し炎症を抑える働きをします。
また皮膚の角化細胞を活性化させ、元気にさせる働きもします。
オメガ脂肪酸・抗酸化成分を取り入れる
腸の環境を守るには、炎症を抑える栄養素も欠かせません。
中でもEPAとDHAは皮膚の炎症をやわらげ、脂質バランスを整える働きをします。
またビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化成分は、腸内の善玉菌を助ける働きをし皮膚の老化防止にもつながります。
腸を乱すNG習慣にも注意!
腸内バランスは、ちょっとしたことで崩れてしまいます。
次のような習慣には要注意です。
| 注意すべき要因 | 腸への影響 |
|---|---|
| 抗生剤の長期使用 | 善玉菌の減少・腸内炎症 |
| フードの急な変更 | 消化不良・便の乱れ |
| ストレスや運動不足 | 腸の動きが鈍り、免疫低下 |
| 添加物の多いフード | 腸粘膜への刺激・炎症悪化 |

フードの切り替えは7~10日間かけて、ゆっくり行うことが大切です。
また皮膚病はフードの切り替えだけでは治りません。
トータル的なケアが必要になります。
まとめ
脂漏症は皮膚だけの問題ではなく、体の中から整える病気です。
善玉菌を補い腸の健康を守ることで、皮膚の炎症やベタつきも改善していきます。
「シャンプーで外側を整え、腸活で内側を整える」こと!
それが、脂漏症を根本からケアする近道となります。