若山動物病院ブログ
良いモノでした。
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
10月7日に、全身麻酔をかけて体の表面にできた3つ腫瘤を摘出した 病院猫のおきくちゃん (=´ܫ`= )

病理組織検査の結果、摘出した3つの腫瘤はどれも『アポクリン導管腺腫(どうかんせんしゅ) 』という腫瘍でした。

体には「汗」を出す腺が2種類あります。
ひとつはエクリン腺、もうひとつはアポクリン腺です。
エクリン腺
主に体温調節のために汗を出す腺で、分泌される汗は無味無臭です。
皮膚に開口部があります。
アポクリン腺
出る汗は白く濁っていて、脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでおり、フェロモンの役割をはたしています。
毛根に開口部があります。
人の場合はエクリン腺が全身に分布し、アポクリン腺は脇の下など一部にしかありません。
ところが、ワンちゃんや猫ちゃんではエクリン腺は肉球や鼻など一部にしかなく、アポクリン腺が全身に分布しています。
「導管(どうかん)」とは、汗腺で作り出した汗を外に出す道のことを言います。
この導管が何らかのきっかけで変化して、細胞が増えてコブのようにふくらんでしまうことがあります。
それが『アポクリン導管腺腫(どうかんせんしゅ) 』と呼ばれるできものです。
ワンちゃん猫ちゃんでは比較的よくみられる良性腫瘍で、適切に摘出すれば再発することはありません。

おきくちゃんも病理組織検査の結果で「3つとも完全に切除されています。」と報告されていたので、これで一安心です。
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