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若山動物病院ブログ

破歯体験記

歯科処置

先日、私自身が「破歯(はし)」からの体験をしました。
んんん、いやぁ〜体験したというよりは、強制的に味合わされたと言っても良いかもです。

目次

歯のケアは大切!

ことの始まりは、2週間前のこと
なんか歯というか歯肉の部分に違和感があったんです。
気になって気になって、歯科を受診したのです。

検査の結果では「破歯」、いわゆる歯が割れてしまっています。
折れてると言っても歯の根の部分なので、見た目にはわかりません。

痛みもないとのことから、元々決まっていた歯科健診の日に再受診となったのです。
しかし・・・その2日後のことです!

発症1日目:ん?なんだか顔が腫れてる?

最初は「ん?顔が・・・チョット腫れてる?」くらいの感覚だったのです。

虫歯は無いし、歯周病でもない・・・
んんん、破歯が原因かな?
そう思っのですが、歯は特に痛みは感じません。

しかし今思うに、もうこの時点で・・・
顔の中ではジワジワと静かァ〜に、炎症が進行していたのでしょうね。

歯周病菌が、歯の根で悪さしてジワジワと静かァ〜に炎症が進行していたのでしょうね。
言ってみれば、噴火前の火山みたいな感じとでも言うのでしょうか?

2日目:腫れる、痛む

ここからが、地獄の始まりでした。
頬はプクッと膨れ眼がちゃんと開かない、そしてアゴは腫れから垂れ下がり、顔の右半分と左半分が別人!
そうなんですよ!
左側はいつもの顔、右側が『こち亀』の両津勘吉みたいな顔になってる・・・

そして痛みは、頬から頭まで、ズーン、ズキズキ!
頬を押すと、痛みが歯茎へと走る・・・
しかも鼻の通りも悪くなるし・・・
これはもう、ただのむくみや痛みでは無いぞ!

破歯が原因!

炎症が骨の中まで広がっていくと、顔面の腫れや頭部まで響くような痛み・重だるさが出てきます。

腫れた部分は、膿瘍?歯性上顎洞炎?顎骨骨髄炎?副鼻腔炎?
もう顔だけじゃなく心配までもが膨れ上がり、またまた歯科に直行です!

抗生剤と痛み止めを飲んで・・・
腫れと炎症が治ってから処置しましょうね!

5日後:抜いた

腫れも引いたので、歯を抜いたのですが・・・
あの痛みから解放されると思ったら、全身の力が抜ける感じでした。

そうなんですよ!
カラダが「助かった・・・」とつぶやくような、なんとも言えない開放感。
今となっては笑えますが、あの4日間は本当に長かったよ。

■そもそも、なぜ破歯になったの?

その原因は、昔に神経を抜いた歯だったからだそうです。

神経を抜いた歯は、
・血流がなくなる
・栄養が届かない
・しなやかさが失われる

という理由で、もろく割れやすい状態になってしまうそうなんです。
例えれば、大きな枯れた木が地面に立ってるような状態とか・・・

外から見ると何も問題も無い歯のようでも、内部は枯れ木のようになっていたですね。
だから歯の持つしなやかさが落ちてしまった結果、割れてしまったんですよ!

枯れた歯に何らかの力が加わった瞬間にピシッと歯にヒビが入り、そこから細菌が入り込んでしまったんです。

破歯は犬や猫にも起こる!

破歯は、ヒトだけに起こるものではありません。
実は 犬・猫にもとても多いトラブルの一つなんです。
特に多い原因がこちら

犬のよくある原因

• 固いガム
• ヒヅメ
• 鹿の角
・骨
• 固いオモチャ

猫の原因

• 強く噛むおもちゃ
• 高齢による歯の脆弱化
• 歯周病からの破折

「え?そんなので割れるの?」
と思うものでも、実際には折れてしまうことがあります。
そして犬猫も、ヒトと同じように「破歯 → 細菌感染 → 腫れる → 痛む」となってしまいます。

犬猫で厄介なのは、痛みを隠すことなんです。
だからヒトみたいに「痛いよ~頭まで響くよ~」とは言ってくれません。
気づきが本当に大切になります。

反省と学び

自分が破歯になったことで改めて思いました。

・歯の状態は、見た目ではわからないことがある!
・「痛い」と感じた時には、すでに大きく悪化している1
・放置すると大変なことになる!

歯が健康であることは、生活の質の基礎ともなります。
そして日々のケアこそ、何よりの治療とも言えます。
どうか皆さんも、歯を大切にして下さいね!