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若山動物病院ブログ

冬の破折

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

ここ最近、『破折(はせつ)』で来院するワンちゃん猫ちゃんが多くなりました。

『破折(はせつ)』とは、何らかの原因で歯が折れたり割れたりしてしまうことを言います。

破折
赤矢印;破折した歯

破折の多くは、硬いものを噛むことによる歯への過度な負担によって起こりますが、それだけが原因ではありません。
もともとの歯の弱りや歯周病など、いくつかの要因が重なって発生することもあります。

実はこの破折、寒くなる季節に少し増える傾向があります。
もちろん寒さそのものが歯を折るわけではありませんが、冬の環境が歯を弱くし、折れやすい状態をつくってしまうことがあるのです。

その1:温度差による「歯の細かなひび」

歯はエナメル質や象牙質などの硬い組織でできていますが、温度の変化にはとても敏感です。
冷えによってキュッと歯が縮み、温まるとふわっと膨らむ、この繰り返しが、目には見えない細かなひび(微細亀裂)を生むことがあります。
その小さな傷が積み重なったところに硬いおやつを噛むと、破折につながりやすくなるのです。

その2:冬の乾燥がもたらす「唾液の減少」

唾液は、歯の表面を守ってくれる大切なバリアです。
冬は空気が乾燥するために口の中も乾燥しやすくなり、唾液量が自然と減りがちになります。
唾液が少ないと歯の細かな傷を修復しにくくなり、歯がもろくなる=折れやすい状態が進んでしまいます。

その3:冷えによる「歯ぐきの血行不良」

歯ぐきは細い血管がたくさん走る場所で、冷えの影響を受けやすい部分です。
血流が落ちると免疫力が弱まり、歯周病菌が活発になって炎症が進みやすくなります。
歯ぐきが下がって根の部分が露出すると、歯は一気にデリケートな状態に。
寒い空気がしみることもあり、わずかな力でも折れやすくなります。

その4:歯周病が進むことで「歯を支える力が弱くなる」

冷えや乾燥で歯周病が悪化すると、歯を支えている歯槽骨が痩せてしまうことがあります。
すると、“歯を支える力”そのものが弱まり、特別強い力を加えていないのに破折に至ってしまうケースもあるのです。

冬の破折を防ぐために

・冬だけでも、硬すぎるおやつやおもちゃは控えめに
・お部屋や身体をしっかり温めて、血流を保つこと
・片側だけで噛む、食べにくそうにする、口元に触れられるのを嫌がる…そんなサインがあれば早めに相談を

寒い季節も、毎日のちょっとしたケアで大切な歯を守ることができます。

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