若山動物病院ブログ
うまく痩せないのには理由が

最近、抱っこした時に重くなったって思ったの
だから、フードの量を減らしたんだけど・・・
ぜんぜん痩せないのよねぇ
「最近、ちょっと太ってきた気がするなぁ・・・」
わんちゃん猫ちゃんを抱っこしてて、そう感じる瞬間がありませんか?
関節の病気で、関節に負担がかからないようにって・・・
体重を落とすように、言われちゃったの!
ご飯を減らさなくちゃって思うけど、なんか可哀想!
このように、何らかの病気で痩せなくちゃならないこともあります。
ダイエットするために食べる量を減らす
よくいただくご相談の中に、こんなものがあります。
「ごはんを少し減らしてみたんですが、痩せないんです・・・」
「食べない=痩せる」
そうなんですが、実際には様々な問題があります。

食べ過ぎの子の場合には、痩せるために食べる量を減らすのは悪い方法ではないですよね。
しかし「食べる量を減らすだけのダイエット」は、ほとんどが成功しないというのが実情なんです。
食べる量を減らし行うダイエットは、以下のようなことが起きてきます。
- 筋肉が減る
- 代謝が落ちる
- 逆に太りやすくなる
- お腹がすきすぎてストレスがたまる
つまり食べる量を減らして行うダイエットは、減量に失敗しやすい方法なんです。
「食べる量を減らして行うすダイエット」が、うまくいかないってなぜでしょう?
でも・・・どうすれば健康的に体重を落とせるのでしょう?
今日は、その理由をわかりやすくお話ししましょうね!
食べる量を減らすと失われるのは「筋肉」
太っていると、つい「ごはんを減らせばいい」と考えてしまいますよね。
でもカラダって、そんなに単純な作りではありません。
食べる量を減らすと、当然ですが「必要とするカロリー量」が下がります。
するとカラダは「栄養が足りない!」「もっとエネルギーが欲しい」と訴えます!
そこで、足りない分のエネルギーを作り出そうとします。
そのような場合、脂肪からエネルギーを作り出せればよいのですが・・・
実は、そうは上手くはいきません!

そうなんですよね!
まずいことに脂肪ではなく、筋肉を分解してエネルギーにしようとしてしまうんです!
筋肉はジーッと寝ていても体温を維持するなど、カロリーを使ってくれる燃焼装置みたいなものです。
その筋肉が減ってしまうと、燃焼するカロリーの量が減ってしまいます。
つまり筋肉が減ると、痩せにくいカラダになってしまうのです。
痩せたい ▶️ 食べる量を減らす ▶️ 筋肉が落ちる ▶️ カロリーが減らない ▶️ 思うように痩せない
▶️ だから食べる量をまた減らす・・・
これって悪循環ですよね?
シニア期になってから筋肉が減ることは、転倒・関節痛・寝たきりのリスクにもつながります。
栄養不足で「代謝が下がる」とさらに痩せない!
フードに含まれているのは、カロリーだけではありません。
・たんぱく質
・ビタミン
・ミネラル
・必須脂肪酸
このように、多くの栄養がバランスよく入っています。
つまり食べる量を減らしてしまうと、当然ながらこれらのカラダに入る栄養の量も減ってしまいます。
栄養素が減ってしまったカラダは、エネルギーの無駄を減らそうと「省エネモード」に入ってしまうんです!
その結果代謝が減る、つまり1日の消費カロリー量が減ってしまうのです。
これでは、ごはんを減らしているのに体重が減らない・・・
そんな矛盾した状況が起きてしまうんです。
ごはんを減らされたら満腹感がない
フードを減らされてしまうと、お腹が空いてしまいます。
そして以下のような行動が増えてしまいます。
・おねだりが増える
・盗み食い
・ゴミあさり
「ダイエットのストレスで、逆に食欲が暴走」なんてこともあります。
成功するダイエットは量ではなく質
では、どうすれば良いのでしょうか?
健康的なダイエットは、ごはんの量ではなく『質』を変えることがコツです。
つまり低カロリーなのに満腹感が高い、しかも必要な栄養はしっかり入っている。
そのようなダイエット専用フードを使う方法が、一番良いとされています。
ダイエット専用フードは、以下のように普通のフードとは作り方が違います。
・繊維質が多くてお腹が膨らむ
・高タンパクで筋肉が落ちにくい
・代謝を落としにくい栄養バランス
だから食べる量を減らさなくても自然とカロリーが抑えられ、無理なく体重が落ちていきます。
「おやつ」こそ落とし穴!
「ごはんを減らしているのに痩せない」のには、もう1つ大きな理由があります。
それが、おやつのカロリーです。
おやつが大好きな子、多いですよね。
でもおやつには意外と高カロリーなものが多いんです!
小さなクッキー1つでもドライフード数十g分に相当することもあります。

「おやつをあげるなら、1日のカロリーの10%以内」ここだけ守るだけでも大きく変わりますよ。
試してみて下さいね!
もちろん、おやつゼロでも良いですよ!
ダイエット成功の3つのポイント
最後に、今日のポイントをまとめます。
1.普通のフードは食べる量を減らさない
▶️ 栄養不足で筋肉が落ち、逆に太りやすくなる
2.ダイエット専用フードを活用する
▶️ 栄養バランスそのままにカロリーを調整できる
3.おやつは10%以内かゼロにする
▶️ これだけで成功率が大きく上がる
ダイエットは食べさせないことではなく、栄養を整えて痩せやすい体を作ることです。
健康的に体重が落ちていくと、以下のような良いことがたくさんあります。
- 歩きやすくなる
- 排泄しやすくなる
- 呼吸が楽になる
- 長生きにつながる
無理をさせず、今日からできる小さなことから始めてみてくださいね。