若山動物病院ブログ
なぜ筋肉は脂肪よりも燃焼しやすいの?

なぜ???
筋肉は脂肪よりも燃焼しやすいのかしら?
それじゃ、少しだけカラダの仕組みを深掘りしていきましょう。
できるだけ身近な例えでお話ししますね。

それじゃ、少しだけカラダの仕組みを深掘りしていきましょう。
できるだけ身近な例えでお話ししますね。。
筋肉と脂肪のエネルギーとしての使われ方

まず知っておきたいのは・・・
筋肉と脂肪は、どちらもエネルギーになるけれど、使われる順番もスピードも違うということです。
実はカラダがエネルギーを必要としたときには、楽に使えるものから先に手をつけます。
これが、ダイエットが思うようにいかない第一歩なんですが・・・。
では、どうして筋肉のほうが使われやすいのでしょうか?
脂肪は「長期保存の燃料」

脂肪はカラダがいざというときのために、倉庫にため込んでいる長期保存燃料なんです。
脂肪って、カラダのあちこちにしまってあるってイメージですよね。
長期保存ということは、こういう特徴があります。
- エネルギーに変わるまで手間がかかる
- 使うスピードがゆっくり
- たくさんあっても、すぐには取り出せない
言い換えれば、時間をかけてゆっくり使うタイプの燃料なのです。
だからカラダが「すぐにエネルギーが欲しい!」となったときには、向いていません。
筋肉は「すぐに使用できる材料」
筋肉は、たんぱく質から作られる組織です。
しかもこのたんぱく質は、脂肪とは違う特徴を持っています。

筋肉は脂肪に比べて、エネルギーに変えるための手順が、とても少なくて済む組織なんです。
そのためすぐにエネルギーとして即利用できる、そんな特徴を持っています。
つまり筋肉は、カラダがエネルギーとして使いたいときに直ぐに使える、つまり使いやすい燃料なのです。
これは、身近なちょっとした事で例えると分かりやすくなります。
- 脂肪:銀行に預けたお金
- 筋肉:財布にあるお金
買い物でお金を出したいとき・・・
わざわざ銀行に行ってお金を下ろすってことは少ないですよね?
すぐに取り出せる財布の中のお金を使いますよね?
カラダも同じで、まずは「目の前のお金 = 筋肉」から使ってしまうのです。
食べる量を減らしたとき何が起きる?

食べる量を急に減らすと、カラダはこう考えちゃうってことですね・・・
「この先、栄養が入ってこないってことがあるかもしれない!」
「今すぐに、動くためのエネルギーは作らなきゃならない!」
んん、奥深いですね!

そうなんですよ!
そこでエネルギーを作るためにカラダが手を伸ばすのが・・・
取り出しやすく、すぐエネルギーとして使える筋肉なんです。
そこでエネルギーを作るためにカラダが手を伸ばすのが・・・
取り出しやすく、すぐエネルギーとして使える筋肉なんです。
一方、脂肪は・・・
「これは非常用に残しておこう」
「まだ使わずにとっておかなくちゃ」
となります。
カラダにとって脂肪は、備蓄された最終的に使われるエネルギーなんです。
まぁ言ってみれば、銀行に預けた定期預金というか老後資金というか・・・
そんな感じのようなものでしょうか?
だから・・・
食事制限をすると脂肪より先に筋肉を使ってしまう、そのような現象が起こります。
筋肉が減るとダイエットが失敗する理由
筋肉は、ただ動くためだけのパーツではありません。
- 体温をつくる
- カロリーを消費する
- 姿勢を支える
- 内臓を守る
実はとても多くの役割を持っています。
そのような筋肉が減ってしまうと・・・
- 代謝が下がる(1日の消費カロリーが減る)
- 太りやすくなる
- 痩せにくい体になる
- シニア期では転倒リスクが上がる
つまり「筋肉が先に燃えやすい」というカラダの仕組みは、ダイエット失敗の原因そのものなのです。
じゃあどうすれば良いの?
「じゃあどうすればいいの?」に対しての対策は。意外なほどシンプルです。
- 食べる量ではなく質を整える
- 必要なたんぱく質をしっかりとる
- 脂肪ではなく筋肉が守られる食事設計にする
- 減量用フード(ダイエットフード)活用する
これだけでカラダは「緊急事態じゃない」と判断し、 筋肉を削らずに脂肪を使ってくれるようになります。
筋肉が燃えやすいのは「生き残り戦略」だった
カラダは命を守るためにエネルギーの作りの優先順位という、仕組みを持っています。
- 脂肪 ▶️ 長期保存燃料(できれば使いたくない)
- 筋肉 ▶️ すぐ使える燃料(真っ先に分解される)
この仕組みがあるから「食べる量を減らすだけのダイエット」はうまくいかないのです。
逆に言えば、 この仕組みさえ分かれば、痩せる方法はもっと簡単になるということです。
筋肉を守りながら脂肪が自然と使われる体へ、これが健康的なダイエットのゴールです。

ワンちゃん猫ちゃんの体も、私たちヒトと同じです!
痩せない理由には、しっかりとした科学的な理由があります。
今日からできることから、一緒に体づくりを始めていきましょうね!