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若山動物病院ブログ

血尿は治ったのに頻尿が・・

猫の「特発性膀胱炎」

目次

猫の「特発性膀胱炎」

頻尿が治らないんです・・・
特発性膀胱炎って言われて、血尿は治ったんですけど、頻尿がひどいんです!

「頻尿が治らないで心配!」という猫ちゃんが来院したケースをもとに、猫の「特発性膀胱炎(とくはつせいぼうこうえん)」を説明します。
「猫の膀胱炎」と聞くと、猫を飼ったことがない方は少し身構えてしまうかもしれませんね。

今日お伝えしたいのは猫は繊細だからこそ、早めに気づけるサインを出してくれるということなんです。
特発性膀胱炎は正しく対応すれば、多くの場合で落ち着いていく病気だということです。

どんな状態だったの?

来院した猫ちゃんは、最初はひどい血尿があったそうです。
ところが今は血尿は治まり、頻尿だけが残っているとのことでした。
発症から1週間が経ったタイミングでの来院でした。

「血尿が治ったなら安心?」と思うかもしれません。
しかし猫の膀胱炎は目に見える血尿が消えても、膀胱の違和感はしばらく残ることがあります。
ヒトでも膀胱炎のあとに「なんとなく残尿感が続く」ことがあるのと同じ感じです。

そもそも膀胱炎ってなに?

膀胱は、オシッコをためておく袋状の組織です。
膀胱炎は、その袋の内側が炎症を起こして違和感や痛みなどを感じる状態になることです。
猫は言葉が話せないので、こんな行動で教えてくれます。

  • トイレに何度も行く(頻尿)
  • 1回のオシッコの量が少ない
  • トイレで落ち着かない、長く座る
  • トイレ以外でオシッコをしてしまう
  • オシッコに血が混じることもある

「特発性膀胱炎」って怖い病気?

「特発性」と聞くと、なんか原因不明のように思い不安になりますよね。
猫の特発性膀胱炎は、ヒトや犬のような「細菌感染の膀胱炎」よりも以下のようなことが重なって起こります。

  • ストレス
  • 環境の変化
  • 水分摂取の少なさ(オシッコが濃くなる)
  • 体質的に膀胱が過敏

猫はとても繊細な動物です。
私たちが普段気にしない程度の変化、例えば来客や模様替え、生活リズムの変化、音やニオイなど)でも、カラダ影響が出ることがあります。

血尿が治って、頻尿だけ残るのはなぜ?

発症から1週間ですよ。
血尿が消えたのに頻尿だけ残るって、心配で・・・

大丈夫ですよ!
そのような症状は、特発性膀胱炎では珍しいことではありません。

膀胱炎の症状は、大きく分けると2つあります。

  1. 膀胱が過敏になって「すぐ行きたくなる」、違和感や頻尿
  2. 粘膜が傷ついて血が出る、血尿

血尿は「膀胱の傷」が落ち着けば、自然と見えなくなります。
しかし膀胱の過敏さは、それに少し遅れて改善することがよくあります。
だから「血尿が止まったのに、まだ変だ・・・」は、必ずしも異常な状態とは限りません。

しかし!
「頻尿が長く続く」時には、別の原因が隠れていないかを確認する必要があります。

病院では何を確認するの?

猫で頻尿や血尿などがあるときは、以下のようなことを確認します。

🔳オシッコが詰まっていないか(特にオス猫)
  何度もトイレに行くのにほとんど出ない、元気がない、吐く…は緊急です。

🔳細菌感染を起こしてないか
  尿検査・必要なら尿培養で確認します。

🔳結晶や結石がないか
  尿検査やエコー・レントゲンでチェックします。

🔳膀胱にポリープや腫瘍がないか
  エコーで確認します。

これらを確認して、「原因がなさそう」なら特発性膀胱炎とします。
そして膀胱を落ち着かせる治療と環境調整を、行います。

治療は「暮らし」が効果的

特発性膀胱炎のケアは、薬だけでなく生活環境の工夫がとても重要になります。
家庭でできる対策が多く、よく行うケアは以下のようなものが主になります。

  • 水分を増やす(ウェットフード、循環式給水器、飲み場を増やす)
  • トイレを快適に(数を増やす、静かな場所、砂の好みを尊重、清潔に)
  • 安心できる場所を作る(隠れ家、キャットタワー、生活動線)
  • 遊びで発散(短時間×複数回でもOK)
  • 必要に応じて尿ケア食やサプリを検討

まとめ

「こんな病気があるなら猫を飼うのは大変!」と思う必要はありません。
猫の特発性膀胱炎は罹りやすい病気ですが、ケアコしやすい病気でもあります。

  • トイレ行動で早く気づける
  • 正しく対処すれば落ち着くことが多い
  • 予防は暮らしの工夫が中心

猫は、静かに寄り添ってくれる家族です。
だからこそ、体調が悪いときは小さなサインで教えてくれます。
そのサインを読み取ってあげれば、猫との暮らしは安心が増えていきます。