若山動物病院ブログ
あとからヒビく
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
今日は、6歳のハスキーちゃんの歯科処置をおこないました。
今回の処置の理由は、「破折(はせつ)」です。
昼間、同居犬とぶつかり合いながら楽しそうに遊んでいたそうですが、夜の歯みがきの際に確認したところ、歯が割れていることに気づいたとのこと。

破折にはさまざまな原因が考えられるため、
- 普段の同居犬との遊び方
- 現在使っているおもちゃの種類
- 過去に使用していたおもちゃ
- 日頃のデンタルケアの方法
などについて、詳しくお話を伺いました。
その結果、この子はもっと若い頃に、硬いおもちゃを噛んでいた経験があることがわかりました。
実は、ワンちゃんの歯は過去に受けたダメージが蓄積し、時間が経ってから破折として現れることがあります。
なぜ「あとから」折れるのか?
「今は歯が折れていないから大丈夫」と思われがちですが、実際には将来の歯の健康に大きく関係していることもあります。
目に見えないヒビ(マイクロクラック)
固いもの(骨・鹿角・ひづめ・硬いガムなど)を噛んだとき、歯の表面や内部に非常に細かいヒビが入ることがあります。
見た目は普通で痛みのサインも出にくいですが、噛むたびに少しずつヒビが広がるため、数ヶ月〜数年後に突然欠けたり折れたりします。
歯の内部(象牙質・歯髄)のダメージ
一度の強い力で、神経が軽く損傷したり血流が悪化すると、歯がもろくなり、時間差で破折することがあります。
摩耗+年齢変化の蓄積
若い頃に硬いものを噛む習慣があり、年齢とともに歯質の弾力低下や咬合力の偏りが起きると、ある日突然パキッと折れることがあります。

日常でできる予防のポイント
歯のトラブルは突然起こるように見えて、実は日々の積み重ねが大きく影響しています。
できることから少しずつ取り入れていくことで、歯への負担を減らしてあげることができます。
- 手で曲げられない物は噛ませない
- 硬いおやつや玩具は避ける
- 歯の色の変化に注意する
- 定期的な口腔チェックを習慣にする
今回のハスキーちゃんのように、過去の噛む習慣が、何年も経ってから歯のトラブルとして現れることがあります。
今だけを見るのではなく、これまでの生活を振り返りながら、歯にやさしい習慣を続けていくことが大切です。