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若山動物病院ブログ

治らない口内炎の治療

慢性歯肉口内炎(FCGS)を患った、猫ちゃんに幹細胞治療を行いました。

猫ちゃんの慢性歯肉口内炎(FCGS)は、口の中の粘膜に炎症を起こし赤く腫れて、痛みや出血を起こす病気です。
お腹が減っても痛くて食べらない、とっても辛く可哀想な病気です。
しかも内科的治療や外科的治療でも治らないこともあるため、難病とも言われます。

FCGSの原因は不明ですが、ウィルスや細菌の感染、また免疫状態の変化などが複雑に絡み合った結果、炎症を起こす病気と考えられています。
そのため、炎症をコントロールすることが治療の基本となっています。

この猫ちゃんは、内科的治療としてステロイドや抗生剤、インターフェロンを受けていました。
しかし投薬しても最初ほどの効果も無く、フードも食べられないということで昨年に来院されました。

ステロイドや抗生剤などの内科的治療は症状が一時的に改善しても、治るまでに至ることが少ないと言われています。
そのため継続して服用したり、抜歯など外科治療を行うこともあります。

ただ抜歯など外科的治療で治る可能性もありますが、治療を行ってみないと分からない部分もあります。

今回来院猫ちゃんは、歯周の検査や投薬後に抜歯と口腔粘膜の炎症部位の切除しました。
ただ残念ながら、治ることはありませんでした。
そこで幹細胞を用いた再生医療を行うこととなったのです。

「幹細胞治療」とは、幹細胞が持っている「修復機能」や「自己治癒力」を利用した治療方法です。
幹細胞には、従来の治療薬とは異なる作用で炎症を抑え免疫バランスを調整する働きを持っています。
そのため既存の治療方法では治りの悪かった口内炎の症状が、改善される可能性があります。

再生医療は以下のような場合に行われます。

  • 全臼歯抜歯や全抜歯を行っても改善が見られない
  • 外科的な処置が難しい状態である
  • 投薬により症状は改善されても薬の副作用が出る
  • 症状の再発を繰り返してしまう

幹細胞は生きていく上で、とても大切な働きをする細胞です。

幹細胞治療は、口内炎以外でも腎炎や関節炎などの治療の一つとして行われています。
ご興味のある飼い主さんは、ご相談下さい!

再生医療の参考記事:J-ARM(http://j-arm.biz/owner/family

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