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若山動物病院ブログ

潜在精巣

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

当院では生後5〜6ヶ月を目安に去勢手術をおこなっています。
去勢手術は『予防を目的』とした手術で、精巣を摘出することで性ホルモンが原因となっておこるさまざまな病気や問題行動を未然に防ぐことができます。

生まれたばかりのワンちゃん猫ちゃんの精巣はお腹の中の腎臓近くに存在し、成長とともに移動して生後1〜3ヶ月ほどで陰嚢の中に収まります。

正常精巣
陰嚢の中に収まっている2つの精巣


しかしまれに精巣の左右どちらか1つ、もしくは左右両方とも陰嚢まで移動できずにお腹の中や皮膚の下で留まってしまうことがあり、これを『潜在精巣(停留精巣、停留睾丸)』と言います。
遅くとも生後8ヶ月頃までに精巣が陰嚢に収まらない場合、その後も潜在精巣のままである可能性が高いと考えられています。

停留精巣
1つの精巣だけが陰嚢に収まっている状態


『潜在精巣』はホルモン不足や遺伝的な要因などが原因であると言われ、猫ちゃんではペルシャやシャム猫に多いとされています。
しかし猫ちゃんの潜在精巣発生率はワンちゃんと比べて非常に少ないため、猫種による差はそこまで大きくないようです。


『潜在精巣』だった場合に注意しなければならないのは「中高齢期になって腫瘍化することがある」ということです。
精巣が2つとも陰嚢に収まっている子も精巣腫瘍になることはありますが、潜在精巣の子は精巣腫瘍の発生率が正常の子に比べて10倍以上高いと言われています。
精巣がお腹の中にある場合は腫瘍化してもある程度の大きさにならなければ症状を出さず、発見が遅れてしまうことがほとんどです。

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