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若山動物病院ブログ

ポケットの中は…

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

今日は8歳のワンちゃんの歯科処置がありました。
口腔内を確認していくと全体的に歯石がついているのと歯肉が腫れているのが見てわかります。
全身麻酔をかけて専用の機材を使いながら歯表面の歯石を除去していきつつ、さらに細かく確認していくと歯周ポケットにまで歯石が入ってしまっていました。

Before
歯科処置前

歯周ポケットとは、歯と歯肉の間にある「歯肉溝(しにくこう)」と呼ばれる溝のことを指します。
健康的な歯肉であればその溝の深さは1〜2mm程度ですが、歯垢が溜まってくると口腔内細菌の影響によって歯肉に炎症を起こしその溝がどんどん深くなって歯周病へと進行してしまいます。


今日歯科処置をおこなった子は歯周ポケットがかなり深くなっていて5mm以上深さのある所もあり、その部分は歯槽骨という歯を支えている顎の骨まで溶けて歯の根がグラグラと揺れてしまっていました。
一度破壊されてしまった歯周組織は元の健康な状態には戻ることはできません。
そのため、歯の根がグラグラになってしまった場所は抜歯をする必要があります。


口腔内を確認したら歯表面と歯周ポケット内部の歯石を除去し、歯表面に研磨をかけて滑らかに整えていきます。
その後は口腔内全体を洗浄して大気圧プラズマ治療器を使って歯肉全体の修復を図ります。
最後に歯周ポケット内に薬を埋め込んですべての処置が終了。

After
歯科処置後

歯周ポケット内部は酸素が少なく口腔内細菌が繁殖しやすい環境です。
深さが3mm以下であればお家でのブラッシングで歯垢を除去し、歯肉の状態を改善することもできます。
しかし歯周ポケットが4mm以上になってしまうとお家のケアだけでは歯垢除去は難しく、病院での処置が必要になってきます。

健康的な歯と歯肉を保つには歯周ポケットを深くしないことも大切です。
定期的に歯科健診を受けて口腔内の状態をしっかりと確認し、病気の予防・早期発見に努めましょう!

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