若山動物病院ブログ
再生
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
今日は朝から曇り空で雨が降ったりやんだりと梅雨らしいお天気です。
こんなお天気では洗濯物も外に干すことができないので、今日は除湿機を使いながらの室内干し。
洗濯物を干そうと室内ドッグランに行くと、視界の端で動く小さなものを発見。
動く先に目を向けると、そこにいたのは病院のお庭で暮らしている小さなニホントカゲちゃん。
毎年恒例になりつつあるニホントカゲちゃんの救出活動。
今回も尻尾を失くさないように細心の注意をはらって救出にあたります。
迷子のニホントカゲちゃんがいた室内ドッグランと玄関までは少し段差と距離があるため、自力で移動してもうのは難しそう…。
道の途中では病院犬たちが過ごしているスペースも通らなければいけないので、できれば何かに乗せて運びたい。
ということで、ちりとりに乗って移動することに。
途中で病院犬シロちゃんと遭遇するも、心優しいシロちゃんは遠くから見守るだけに留めてくれました。
ようやく玄関に到着し、事務所前の花壇近くでちりとりから降ろして無事に救出活動終了。
今回も尻尾を失うことなく任務を遂行することができました!
トカゲは外敵から襲われたり身の危険を感じたりすると自身を守るために囮として尻尾を切り離します。
尻尾には脱離節(だつりせつ)という切れ目が入っていて、危険による強いストレスを感じると自動的に切れる仕組みになっています。
尻尾の切断部分は数ヶ月の時間をかけて少しずつ再生しますが、この時に関わっているのが先日のぷらむ倶楽部でもお話をした『幹細胞』です。
『幹細胞』とはさまざまな細胞に変化して増殖することで組織を再生する力をもつ細胞のことで、さまざまな再生医療に応用できると考えられ研究が続けられています。
トカゲの尻尾の場合は筋肉に含まれる幹細胞が働くため硬い骨は再生されず、見た目は同じように見えても色や模様が違ったりサイズが小さくなったりしてしまうそうです。
さらに尻尾には多くの栄養が蓄えられていて尻尾を切ったことで体調を崩してしまうこともあるんだとか。
来院の際に病院のお庭で暮らす小さな住人を見かけたら、優しく静かに見守ってあげてくださいね!
当院でおこなっている『幹細胞治療』については『Dr.Nyanの健やかコラム』にて説明していますので、そちらもご覧ください。