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若山動物病院ブログ

脾臓の腫瘍

食欲が落ちてチョット貧血気味、そんな猫ちゃんです。

お腹を触ると、ゴツゴツした硬い感じのゴロッとしたものが手に触れます。
これって、何だ?
と調べてみると、大きく腫れてしまった「脾臓」です。

「脾臓」はカラダの中の左脇腹の方にある、割と大きな臓器です。
しかし脾臓は肝臓や腎臓、心臓などとは違い、その存在が忘れられがちな臓器です。

まぁ実際に脾臓が悪くなったなんて話も、あまり聞きませんものね!
それにもし脾臓が悪くなったって言っても、あまりピンとはきませんよね!

そのような脾臓ですが、いったいどのような働きをしているのでしょう?

脾臓の働き

  • 老化したり変形した赤血球を破壊と除去
  • リンパ球や抗体をつくるなど免疫に関与
  • 血小板や新しい血液の貯蔵

脾臓は腫瘍が出来やすい臓器で、その多くが血管肉腫やリンパ腫です。
そしてこの仔の場合も、リンパ腫でした。
(参考:犬のリンパ腫について

リンパ球は、病原体などから体を守る働きを持った白血球の一つです。
主にリンパ球はリンパ節や脾臓、血液の中や全身に存在しています。
そのためリンパ腫は、体のいたるところで発生が認められる事があります。

今回の場合、大きくなった脾臓が肝臓の門脈と言う血管を思いっきり圧迫していました。
門脈は腸から様々な栄養素が運ばれてくる血管で、肝臓に送られる血液の3分の2が門脈を通って行きます。
もし手術で脾臓を摘出したなら、門脈に血液が一気に流れ込み肝臓の中の血圧が高くなり様々な症状が現れてきます。
また全身のリンパ節に播種、いわゆる転移していました。

治療前のレントゲン写真です

そのため手術での治療は難しいと判断され、内科的な治療を行なうことになりました。

治療中のレントゲン写真です

現在治療中ですが、少しずつですが腫瘍は小さくなってきています!