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若山動物病院ブログ

乳歯と歯周病

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

今日は11歳のワンちゃんの歯科処置がありました。

この子は先日、9月から実施されている「秋の健康診断」を受けたのですが、その時に一緒におこなっている歯科検診で今の口腔内の状況について詳しく知り、ご家族の方と今後についていろいろと相談した結果、歯科処置をおこなうことが決まりました。

口の中を詳しく見ていくと全体的に歯石がついていて、左上顎には乳歯犬歯が抜けずに残ったままになっていました。

歯科処置、乳歯
赤矢印:残っている乳歯犬歯

犬も人と同じで、ある程度の年齢になると乳歯から永久歯へと生え替わります。
犬の生え替わりは生後約5〜7ヶ月齢でおこり、犬種や個体によって多少の差がありますが、だいたい生後6ヶ月齢をすぎた子のほとんどが乳歯から永久歯へと生え替わっています。

しかし、なかには乳歯が抜け落ちず、永久歯が生えてもそのまま残ってしまうことがあります。
これを『残存乳歯』と言います。

乳歯が残ったままになってしまうと、永久歯が異常な位置に生えて歯並びが悪くなってしまいます。
歯並びが悪くなると噛み合わせも悪くなるため、食べ物ををうまく噛むことができなくなったり
歯で口腔粘膜を傷つけてしまったりすることもあります。
さらに、乳歯と永久歯が重なって生えてしまうと歯石がつきやすくなり、歯周病の原因にもなってしまいます。


この子も乳歯と永久歯が重なるようにして生えてしまったために、他の場所と比べて歯肉が後退して歯周ポケットも深くなり、歯の根元にまで歯石が入り込んでしまっていました。

歯科処置、乳歯
赤矢印:乳歯があった場所

乳歯は抜歯して根元に入り込んでいた歯石と全体的についている歯石を除去した後は、歯周病菌を抑制して炎症症状を緩解するお薬を歯周ポケットにたっぷりと入れていきます。


歯の健康は見落としやすく軽視されがちですが、全身の健康に影響をおよぼずとても重要な部分です。
定期的に歯科検診を受けることで早期発見・早期治療につながります。
少しでもお口が気になったらお気軽にご相談ください!

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