若山動物病院ブログ
お尻にデキモノができちゃった!
肛門上部の腫瘤が気になり近隣の病院を受診したところ、施設の関係で手術できないとのことで来院されました。
だいぶ前から気にななっていたとのことですが、痛がる様子も無いので時間が経過してしまったそうです。
生検を行ったところ「肛門周囲腺腫」との診断結果でした。
そこで今後の治療方針を提案し家族会議をしていただいた結果、組織の摘出と去勢手術を行うこととなりました。
黄色い矢印はこうもん、赤い丸印が「肛門周囲腺腫」です!
この肛門周囲腺腫は、去勢手術をしていないオスのワンちゃんに良く発症します。
そのため、男性ホルモンが関与していると考えられています。
多くの場合は良性ですが、時には悪性もあります。
また良性でも放置しておくと腫瘤が大きくなり、出血や感染など様々な症状が見られるようにもなります。
場合によってはウンチが出づらくなるなど、生活の質が著しく下がってしまいます。
手術するにも肛門周囲腺腫が大きくなってしまい、腫瘍が肛門括約筋まで巻き込んでいることもあります。
そのような場合に肛門括約筋も同時に切除してしまうと、ウンチの垂れ流し状態になってしまうことがあります。
また肛門の周囲の皮膚を大きく切り取ってしまうと皮膚に余裕が無いため、皮膚をうまく縫合出来ないこともあり、他の場所の皮膚を手術した場所に持ってくるようにもなります。
そのようなことが起こらないためにも、できるだけ小さなうちに手術を行う事が大切となります。