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若山動物病院ブログ

猫の腰痛

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

先日、体を舐めて毛が薄くなってしまった猫ちゃんが来院しました。
問診をして患部の確認をすると、確かに腰部分の毛が薄くなっています。
しかし、皮膚の状態を細かく確認しても異常はなし。

皮膚炎かと思いきや

猫ちゃんが体を異常に舐める理由としてもう一つ挙げられるのが『痛み』です。

『痛み』の原因を確認するために腰のレントゲンを撮ると、背骨と骨盤のあいだに『変形性脊椎症』をおこしていました。

赤矢印の部分に変形性脊椎症をおこしています。


『変形性脊椎症』とは椎体の一部が増殖し「骨棘(こっきょく)」と呼ばれる突起ができて、その突起が神経を刺激したり圧迫したりすることで痛みが引き起こされます。
骨の変形の程度や場所によって出てくる症状は様々です。

7歳以上の猫ちゃんの約70%以上の子は何らかの関節疾患を抱えていると言われています。
関節疾患には変形性脊椎症のほかに、手首や肘・膝などに痛みをおこす関節炎も含まれています。

変形性脊椎症や関節炎を発症すると以下の症状が見られます。

  • 爪研ぎをしなくなった
  • 高いところに登らなくなった
  • あまり遊ばなくなった
  • 動きが悪い
  • トイレの外でウンチ・オシッコをするようになった
  • 体を触られるのを嫌がるようになった
  • 何となく元気がない
  • 隠れたり、逃げるようになった

初期では無症状であることも多く、症状が出ても老化と似ている部分もあるので発見が遅れてしまうことが多くあります。

猫ちゃんは痛みを隠すのが上手な生き物です。
日頃の観察と定期的な健康診断で早期発見・早期治療に繋げてあげましょう。

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