若山動物病院ブログ
慢性腎不全で行われる幹細胞療法
このところ「幹細胞療法」についての問い合わせが増えています。
その多くは、慢性腎不全と診断された猫の飼い主さんからです。
また話を聞きたいと、直接来院する飼い主さんもいます。
慢性腎不全になると様々な治療が行われます
- ・腎臓病食を食べたり
- ・定期的に通院し点滴を受けたり
- ・家庭で皮下点滴を行ったり
- ・色々な薬を飲んだり
- ・吸着剤などのサプリも・・・・
もうやることも無く・・・
でももっと何かできないか?
そのようなことで辿り着いたのが、再生医療である幹細胞療法なんです。
話を聞くと・・・
どうも幹細胞療法を、慢性腎不全の救世主のように思ってるらしいんです。
「藁をも掴む」
そんな言葉がピッタリの状況と言っても良いかもです。
ま・・・
あっちこっちに、幹細胞療法のことが書いてあります。
結構、良いことも書いてあります。
でも幹細胞療法は、治療方法の一つであるだけなんです。
しかも治療を開始するには、もう遅いこともあります!
慢性腎臓病の治療を行うにあたっては、腎臓の状態をチェックします。
血液やオシッコ、血圧などの検査を幾度か行い病状を把握します。
慢性腎臓病には『IRIS腎臓病ステージング』と言われるステージ分類があります。
幹細胞療法はその中でも、ステージ2〜3(軽~中等度)の慢性腎不全に対して行われます。
この段階では、まだ腎臓の機能は残っています。
もちろん幹細胞療法を行なっても、輸液などの治療は続けなくてはなりません。
幹細胞治療は・・・
腎臓の炎症や線維化を抑えることで、腎臓の機能を改善する働きがあります。
その結果、症状の改善と進行を遅らせることができるようになります。
そして生活の質(QOL)を改善させたり、より長く維持させることが期待できます。
幹細胞療法は、重症化する前に行う治療方法です!。
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