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見た手違い!と言われても・・・

見た手違いとは誤診のことですが
・・・言われることがあります。
持っている知識と経験をフルに使い一生懸命でも、誤診はある程度は起きてしまいます。

また長い診療経験の中でですが・・・
転院してきた際に、当院での診断が前動物病院と違うことがあります。
でも前の先生の診断が間違っていたと、思ったことはありません!

それは前の先生が行なった検査や治療のお陰で、病気を絞ることが出来るからです。
つまり「後出しジャンケン」した、そんな感じだからです。
絶対に診察を重ねるほど、より病気の本質に近づいていきます。

一般的に診察を行う場合には・・・
あまり見られない病気より、普段よく見られる病気から疑っていきます。
似たような症状を呈する病気は、本当に山ほどあります。
これをきちんと診断出来ないと責められ、さらに誤診と言われたら超めげちゃいます。

下痢なら、普通は一般的な顕微鏡によるウンチの検査からです。
寄生虫?細菌感染?
そこで異常が見られれば、治療です。

しかし顕微鏡検査では発見出来ない異常を、併せ持つこともあります。
その場合は、下痢は治らずです。
そこで、もっと深堀りできる検査を行う必要があります。

ウンチの培養検査、PCR検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、大腸カメラ検査・・・
そんな感じに病気の原因を探るために、検査を加えていくのですが・・・
最初から可能性のある病気を見つけ出すために、何でもかんでも検査をしたら誤診は少なくなるでしょう
でも・・・
そうすれば良いというものではありません。
そのために再診が必要でもあるし、重要にもなってきます!


ちなみ東京大学の、ある教授の話なのですが・・・
臨床診断と病理解剖の結果を比較し、自己の誤診率を「14.2%」と発表したことがあります。

皆さんは、この誤診率をどう思います?
高いと思うか?低いと思うか?
どうでしょう?
日々診療を行なっている医師の方たちは「とても低い」と驚いたそうです。

認知症の診断は、MRI検査や認知テストで行いますが・・・・
それでも誤診率は3割はあると聞いた時に、診断って本当に難しいんだなと再認識しました!

そう言えば、数日前のことです。
スタッフが息をするとゼコゼコするので、病院へ行ったそうです。
医師の診断は・・・
「アレルギーでも喘息でもなく、ただ緊張してるだけだから様子を見よう」となったそうです。

しかしその夜から朝にかけて呼吸が苦しくなったため、別の病院に行ったそうです。
そこの医師の診断は・・・
「アナフィラキシー」だったとか。

後に行った病院では・・・
・時間の経過による症状の変化
・寝ても呼吸が悪化
このような新たな情報が加わったことにより、別の診断に至ることができたのです。


ヒトのお医者さんは、内科、外科、皮膚科と専門分野で診察している「単科診療」です。
しかし我々獣医師の多くは、すべての診療科目を一人で診察している「全科診療」です。
それだけ知識と技を持つ必要があるのですが、能力と時間には限界があります。

獣医師生活が50年間近くなっても、学会にセミナーに出席しています。
また経験の場数を踏んでも、足りない知識や習得できていない技術がたくさんあります。
だからこそ生涯勉強と頑張ってますので、よろしくお願いいたします!