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若山動物病院ブログ

外耳炎

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

日本の夏は高温多湿で耳のトラブルが多くなる季節でもあります。
耳科疾患の中でも特に多いのが『外耳炎』です。

『外耳炎』とは、耳の入り口から鼓膜までの部分に炎症が起きている状態のことを言います。

耳模型
耳の構造

もともと耳には「自浄作用」という機能が備わっていて、耳道内に溜まった汚れを外に排出することができます。
しかし何らかの原因でその機能が低下してしまうと汚れが溜まりやすくなり、耳の中の環境が悪化して細菌や真菌が増殖し外耳炎をおこしてしまいます。
外耳炎の原因として最も多いのがアレルギー性疾患で、慢性外耳炎の約60%以上がアトピー性皮膚炎や食物アレルギーが関係していると言われています。 
それ以外にもさまざまな原因が複雑に重なっていることが多く、原因の特定が難しい病気でもあります。

〈 外耳炎の原因 〉

  • 細菌感染
  • 寄生虫
  • 異物
  • 腫瘍
  • 耳道狭窄
  • アレルギー性疾患
  • 内分泌疾患
  • 自己免疫性疾患
  • 免疫介在性疾患
  • 角化異常症
  • 過度な洗浄・ケア
汚れた耳
外耳炎をおこしている耳の中

外耳炎を悪化させないためには早期発見が大切です。
お家での普段の様子をチェックし、何か変わったことがあれば動物病院に相談しましょう。

〈 外耳炎の主な症状 〉

  • 耳を痒がる
  • 耳や頭をよく振る
  • 耳や頭を床や家具に擦り付ける
  • 耳が臭う
  • 耳から黒い汚れが出る
  • 耳が赤く腫れている
  • 耳が垂れ下がっている
  • 耳を触ると嫌がる
  • 耳を触るとグチグチと音がしたり、耳だれがある


外耳炎を繰り返しやすい子は、トリミングなどで耳の毛量を減らすだけでも再発を防ぐことができます。
耳の毛が多いと通気性が悪くなったり、中から出てきた汚れが毛に付着して感染をおこしやすくなってしまいます。

もさもさした耳
耳の毛が入り口を塞ぎ、汚れが付着して外耳炎をおこしています。

外耳炎はワンちゃんだけでなく、猫ちゃんでもおこります。
特にアメリカン・カールやスコティッシュ・フォールドなど耳に特徴のある子たちは、他猫と比べて耳の中の構造が狭くなっていることが多いので注意が必要です。

外耳炎はお家でも比較的見つけやすい疾患の一つです。
しかし一度なってしまうと再発しやすく、治療期間が長引く疾患でもあります。
日頃の観察と定期的なケアで、早期発見・早期治療に努めましょう。

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