若山動物病院ブログ
曲がった
お腹を切る手術を行ったのですが···
当然、切ったら縫うことになります。
縫うのは、腹膜とかある白線の部分、その上の皮下脂肪、そして皮膚です。
脂肪は縫うと言うより寄せる、と言った感じです!
白線??
それ何んですか??
お腹に白い線でも引いてあるわけじゃないし・・・
それは後で説するとして···
皮膚を縫い終わって、体を覆ってたドレープを外してみたら縫い目が曲がってるんです。
意識して曲げたわけでも無いのに、しかも何十年間も縫い仕事してるのに初めてです。
白線部分はお腹の筋肉などの部分ですから、曲る訳はありません。
皮膚も切ったときは曲がってません。
と言うことは、ちゃんと正中を縫ってるのに左右均等の張りじゃ無かったってことなんでしょうか。
だから曲がって見えてしまってるんです。
飼い主さんは、問題ないよとは言って下さったけど
今までに経験が無いだけに···もう気落ち!
お腹の手術の多くは、お腹の真ん中を縦切りにします。
そして切った皮膚の下には皮下脂肪が、そしてその下の筋肉には「白線」と呼ばれる部分があります。
白線は血の気が薄い腱膜なため白っぽく見える線維組織で、筋肉がくっついています。
そのため、お腹を切るときは出血の無い白線部分を切るんです!
ちなみ白線には腹直筋以外にも、外腹斜筋、内腹斜筋、横腹筋などの筋肉がくっついてます。
そんな白線を縫って、脂肪を寄せ、皮膚を縫って。。。
手術終わ~り!と思ったら、あららららでした。
ちなみ「白線ヘルニア」ってのがあります。
これは白線の小さな隙間から、お腹の中の脂肪などが飛び出てしまい起こります。