若山動物病院ブログ
クッキングロス
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
先月7月は全国153の気象台等のうち62地点で月平均気温が歴代1位となる記録的な暑さでした。
これからもまだ暑い日は続くので体調管理には十分お気をつけください。
夏の暑さに負けないためには水分補給がとても大切!
でも普通のお水だとなかなか飲んでくれない、なんてことも多いですよね。
そんな時はお水の形状を変えてみたり、ちょこっと味付けをしたりして飲水量を増やす工夫が必要です。
病院で暮らしている子たちもさまざまな工夫をして飲水量の増加に努めています。
今日は水分補給のために病院で暮らしている子たちに特製スープを手作りしました!
材料は当院で製造・販売しているおやつの仕込みの時に出る不要部分で、今回は牛の心臓の脂と腎臓の腎盂・尿管を煮込んで作っていきます。
ワンちゃんや猫ちゃんの手作りご飯のレシピを見ると肉や野菜は茹でたり煮たりして加熱調理されることがほとんどです。
食中毒や感染症のリスクを抑え、食材を柔らかく食べやすくするためにおこなわれる加熱調理ですが、その方法によっては多くの栄養素が失われてしまうのです。
調理や加工の過程で食材の栄養素が失われてしまうことを『クッキングロス』といいます。
茹でたり煮たりすると野菜に含まれる脂溶性ビタミンは約10〜30%、水溶性ビタミンは約30〜60%、抗酸化成分は約40〜50%が失われることがわかっています。
肉の場合では水溶性ビタミンのビタミンB12は豚肉で約20%、鶏肉と牛肉で約30%が失われます。
また豚肉に多く含まれ「疲労回復ビタミン」として知られているビタミンB1は約65%も失われてしまいます。
他にもタンパク質やアミノ酸、旨み成分であるグルタミン酸、コラーゲンなども失われるため肉の調理には十分注意する必要があります。
クッキングロスは食材の種類や切り方によっても失われる栄養素の割合は変わってきます。
正しく調理することで大切な栄養素を損なうことなく、より美味しく食べることができます。
夏バテ予防のためにも充分な睡眠と栄養・水分の補給をして暑さに負けない体を作りましょう。