若山動物病院ブログ
大きな出べそ
ヘルニアと聞くと、背骨に起こる椎間板ヘルニアが思い浮かべられます。
元々ヘルニアとは体内の臓器や組織が、本来あるべき場所では無い場所に出てしまった状態を言います。
今日手術した子は「腹壁瘢痕ヘルニア」です。
これは手術後のお腹の傷あとの回復が悪かったか、その部位が弱くなったりすることにより起こるヘルニアです。
診ると、お腹の手術した場所の皮膚の下に内臓が出てしまっています。
この子は保護犬だそうで、保護時にはすでに腹壁瘢痕ヘルニアを起こしていたため再手術を行ったそうなんです。
しかし再発してしまったそうなんですが、今回では3回目の手術となってしまいます。
これが最後の手術にしたかったので、手術も手術後も注意しなくてはなりません。
腹壁瘢痕ヘルニアの主な原因は、次のような要因が考えられます。
この腹壁瘢痕ヘルニアは、手術して縫った部分が開いてしまうと言うことです。
つまり手術後に傷の治りが悪いととか、腹壁が十分にくっつかず縫った場所が弱くなって発生します。
原因としては手術で使用された糸の問題や手術後に安静に出来ない、また栄養状態が悪いなどが考えられます。
傷の治るのが遅れたり、治る前に開いてしまうことによります。
治療方法としては・・
瘢痕した組織を取り除きメッシュをお腹の中に縫い込み、瘢痕部を補強します。
手術後の管理は非常に重要となります。
要は安静、激しい動きをしないようなケアと、高タンパク質のフードやサプリメントなど栄養管理が重要となります。