若山動物病院ブログ
ヒューマングレード
よくドッグフードやキャットフードの説明の中に、使用されている肉が「ヒューマングレード」だよという表記があります。
これはフードに使われている原材料としての肉が、ヒトの食用として適合している基準を満たしていることを意味します。
ヒューマングレード?
ほー、それって質が良いってこのなのかな?
キャットグレードじゃ無いの?
私ゃ、ドッググード・・・
ヒュマングレードって、聞こえは良いですよね?
でも、これって結構奥深い言葉んです!
「ヒュマングレードの肉を使用しています!」
そう聞くと「ヒトが食べても安全な品質の肉が使われている」と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし実際には、少〜し注意が必要なんです。
基準が無い
日本ではペットフードの安全性を確保するために「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称:ペットフード安全法)が施行されています。
しかし「ヒューマングレード」という表記に関しては、日本の法律では明確な定義や規制が設けられていません。
基準が無いってことは、その表示の意味がマチマチってこと?
そのため各メーカーが独自の基準で「ヒューマングレード」と表示しているのが現状です。
つまり「ヒューマングレード」と記載があっても、同じ基準のものじゃ無いんです!
表示に関しての問題点
それは原材料に含まれる添加物については、表示義務が無いと言うことです。
つまり「無添加」と表示されていても、実際には添加物が含まれている可能性もあります。
では「ヒューマングレード」の肉とは、どのようなモノなのかを説明します。
「ヒューマングレード」の肉とは、一応ヒトが食べられる品質の肉であることを指します。
しかし、ここでも注意点があります。
原材料の種類
「ヒューマングレード」とされる肉には、鶏肉、牛肉、豚肉、魚などが含まれます。
ただこれらはヒト用の食品生産から出た肉の副産物(筋や脂肪の多い部分)である場合もあります。
これらの肉は、ヒトの食文化ではチョット敬遠されることもありますよね・・・
つまり「ヒューマングレード」とは言っても、良質の肉や良質の部分だけが使われているわけではありません。
安全性
たとえば腐敗していたり、病気にかかった動物から取られたものであれば「ヒューマングレード」とは言いません。
それって4Dミートって言うんだよね!
DEAD(死んだ)、DISEASED(病気の)、DYING(死にかけの)、DISABLED(障害がある)の四つのD!
「ヒューマングレード」で¥では、いわゆる4Dミートから取られた肉は使われてはいません。
ただ原材料だけがヒューマングレードでも製造工程や最終製品がヒト用食品の基準に達していない場合には「完全なヒューマングレード」とは言えない可能性もあります。
まとめ
「ヒューマングレード」の肉とは、ヒトが食べられる安全基準を満たした肉を指します。
しかしペットフードとして使われる場合は、ヒト向けに販売される肉とは少し異なる部分もあります。
ただある程度の品質基準の目安にはなりますが、表記に頼りすぎず全体的な成分をかくにんすることも重要です。